インド型変異株でロックダウン緩和に影響の可能性も=英首相

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ボリス・ジョンソン英首相は14日、新型コロナウイルスのインド型変異株が、6月21日に予定されるイングランドのロックダウン解除に「深刻な中断」をもたらす可能性があると述べた。

首相官邸で会見したジョンソン首相は、インド型変異株の感染力が従来型や他の変異株より「はるかに」高いと分かれば、「厳しい選択」が必要になるかもしれないと話した。

首相は対策のひとつとして、新型コロナウイルスワクチンの1回目と2回目の接種の間隔を、50歳以上や基礎疾患のため感染リスクが高い人を対象に、12週間から8週間に短縮するという方針も示した。イングランドでは現在、38歳以上の人を対象にワクチン接種を続けている。

ジョンソン首相は、「重症化に対して、ワクチンが前ほど効果的でなくなるという科学的根拠は得られていない」とも述べた。

イングランド公衆衛生庁(PHE)によると、インド型変異株の感染者数はこの1週間で3倍近くに増加。そのため、すでにイングランドの15カ所でPCR検査の体制を強化しており、北部ブラックバーンやボルトンでは陸軍が検査体制強化に協力する。

英政府統計によると、14日に新たに確認された感染者はイギリス全体で2193人。陽性判定から28日以内に亡くなった人は17人に上った。

首相会見に同席した英政府の医療責任者、イングランド主任医務官(CMO)のクリス・ウィッティー教授は、「かつてケント州で特定された変異株がイギリスで主流となったように、やがてこの(インド型)変異株が主流になると予測している」と説明。それだけに、インド型変異株が他の変異株より感染力が高い場合は、イギリスで感染者が「大幅に急増」する可能性があると説明。「とても大事な問題だが、まだ答えが出ていない」と話した。

政府の新型ウイルス対策を策定している非常時科学諮問委員会(SAGE)は、インド型の変異株がケント型より感染力が最大50%高い「現実的な可能性」があるとしている。

PHEによると、5月12日までの時点で、インド型変異株が原因で4人が亡くなっている。

ロックダウン緩和への影響は

ジョンソン首相はこの日の会見で、「現在のエビデンス(科学的根拠)」から判断して、17日にイングランドで予定されるロックダウンの緩和を延期する必要はないと思うと述べた。イングランドでは17日から、パブやレストランの屋内で飲食が認められ、個人宅の中で6人や2世帯の人が会えるようになる予定。

その上で首相は、「率直に申し上げて、この新しい変異株が私たちの前進に深刻な混乱をもたらす可能性があり、6月に(ロックダウン解除への)次の第4ステップに移行するのが難しくなるかもしれないと、言わざるを得ない」と話した。

そのため、「ここ数日で私たちが何をどう選択して行動するかが、今後の道筋に具体的に影響するので、全員が最大限の慎重な行動をとるよう強くお願いする」と呼びかけた。

イングランドで6月21日に予定されるロックダウン行程表の第4ステップは最終段階で、屋内・屋外を問わず、集会や交流の法的制限がなくなる。ナイトクラブは再開し、結婚式の出席人数にも制限がなくなる。

ジョンソン首相は、この第4ステップの実施は「不可能」だとは思わないが、「とことん現実的に」なる必要があり、「中断や延期のリスク」もあり得ると述べた。

英政府はこれまで、予定通り6月21日に制限を解除する前提条件として、ワクチンの有効性が維持され、新しい変異株が流行してもリスクに根本的な変化がないことが必要だとしている。

(英語記事 Covid: Indian variant could disrupt 21 June easing, PM says)