今年で発売45周年を迎える「日清のどん兵衛」と「日清焼そばU.F.O.」。これを記念して新発売されたのが、「私たち、入れ替わっちゃってる〜!?」的なノリをカップ麺で再現した『日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん/日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば』だ。“入れ替えて作ったらうまかった件”とのことだが、果たして本当だろうか。

 

■同じ年に生まれた焼きうどんと焼きそばの兄弟カップ麺。麺の太さも味わいも対極なふたりはソースを入れ替えても仲良しなのか!?

日清食品の「日清のどん兵衛」と「日清焼そばU.F.O.」は、共に1976年に発売した同い年コンビ。今年で45周年を迎えたベテランカップ麺だ。これを記念した特別な商品が新発売された。それこそがお互いの味わいを入れ替えて作られた『日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん』(100gうち麺74g)『日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば』(112gうち麺90g)である。(ともに希望小売価格 税込208円・2021年5月10日発売)

「日清のどん兵衛」といえば、だしのきいたつゆが美味しい味わい。一方「日清焼そばU.F.O.」は濃厚なソースが特徴のパンチのある味わい。もちろん麺の太さも全く違う。まさに対極の2つといえるだろう。

だが、このふたりが入れ替わってしまったというから大事件。一体どんな化学反応を起こすのか、さっそく確かめてみた!

 

『日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん』

まずは『日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん』から。今回は焼きそば味のため汁なしの「日清の汁なしどん兵衛」が採用されている。先ほども紹介した通り、入れ替わったのは味わいのほう。つまり麺はおなじみの平麺だが、ソースは「日清焼そばU.F.O.」で使われる「濃い濃い濃厚ソース」だ。

原材料を見ても、かつおぶしやしょうゆの文字はなく、ポーク調味料やソース調味料がしっかりと使われている。「日清のどん兵衛」に合わせて調整された様子もなく、おそらく全く同じものだ。

1食あたりのエネルギーは430kcal、糖質は約58.3g

焼きそば味になっても作り方はいつも通り。お湯を注いで(目安量370ml)、5分待機。

液体ソースはふたの上で温める

湯切り口からお湯を捨て、液体ソースをかけて混ぜる。最後に「U.F.O.ふりかけ」をかければ完成だ。麺は太いが見た目は焼きそばそのもの。ソースの香りもいつも通りで食欲を刺激する。

モグモグと箸で口の中に運ぶ。もちっとした弾力のある麺と濃厚ソースが、それぞれ主張し合っていてなかなか面白い味わい。つゆがない分、咀嚼の回数が増えるのだが、ソースの濃さが麺に負けていないから最後まで堪能できる。

ただ、あっさりとした小麦粉ベースの麺のせいか、全体的にパンチが弱まった印象は否めない。麺とソースの味が完全に別々に感じるから、濃いのかあっさりしているのか混乱してしまう。

おなじみの油揚げ麺(平麺)

具材はキャベツとチャーシュー。七味唐辛子や紅しょうがの入った「U.F.O.ふりかけ」の刺激がクセになる。

なお、焼うどんと称しているが、味は完全に焼きそば。「日清のどん兵衛」らしさはほとんど残っていない。それでも、普段とは違う食感が楽しめるのは面白いので、「日清焼そばU.F.O.」派の人も一度は食べてみる価値はあるだろう。

 

『日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば』

続いては『日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば』。こちらは「日清焼そばU.F.O.」の麺に、「日清のどん兵衛」風のソースを使用したもの。“風”とあえてつけたのは、こちらのソースとマヨネーズは全く同じものではなく、このカップ麺専用に作られたものだから。

基本的には「日清の汁なしどん兵衛」と同じなのだが、ソースに使われていた七味唐辛子やねぎなどが無くなり、半固体状ドレッシングを追加。さらに、「かつお香るつゆと七味入り粉末だし」は「だしの風味と七味香るどん兵衛マヨ」となっており、マヨネーズがプラスされている。(というか、「日清焼そばU.F.O. 濃い濃い濃厚ソース」にはマヨネーズは付いていない)

1食あたりのエネルギーは514kcal、糖質は約63.6g

単に入れ替えただけでは商品化できるレベルではなかったのだろうか。そのあたりも踏まえて、食べてみることにしよう。

作り方は「日清焼そばU.F.O.」とほぼ同じ。お湯を注いで(目安量460ml)、3分待機。

湯切りをしたら液体ソースを混ぜて、仕上げに「だしの風味と七味香るどん兵衛マヨ」をかければ完成。だしベースだけあって、かつおのいい香りが広がる。

油揚げ麺(中太麺)

色は薄いが、麵やマヨネーズのおかげで見た目は焼きそば。きざみあげが入っていて少々違和感あるが美味しそうだ。ズルっとひと口食べてみると、確かに「日清のどん兵衛」らしいだしの味。かつおの風味が利いたしょうゆ味で安心する味わいだ。ただし、焼きそばらしくするためか、少々味付けは濃いめ(辛め)。

だしを入れすぎた味がする…

それもあってか、焼きそばの麺と絡まるとうどんらしさは全くなし。しかもマヨネーズが絡まると、途端に焼きそば寄りの味に変わってしまうから、なかなか「日清のどん兵衛」の味とは思えなくなってしまう。

きざみあげはだしを吸っておいしく仕上がっている

正直、これは評価が分かれそうな仕上がり。味はとてもおいしいのだが、先入観のせいで素直に食べられない。残念ながら記者の舌には合わなかったが、たまにはこういう味変もいいかもくらいの気持ちで食べるのがよさそう。

 

■やっぱりいつもの味がおいしいという結論に達するとしても! 一度は体験したい入れ替わりグルメ

味わいの入れ替わった『日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん』と『日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば』は、日清食品らしい遊び心のあるカップ麺だと感じた。

 

まるで映画のように、やっぱりいつもの組合せが1番だよね! と、再認識できたのが大きな収穫だろう。この奇妙な出来事を体験したい人は、今回限りの入れ替わりを楽しんでみてほしい。

 

全国のスーパー、コンビニで発売中。