関連画像

写真拡大

散歩していた飼い犬が、別の犬にお尻を噛まれて重傷を負ったとして、噛まれた犬の飼い主夫婦が、噛んだ犬の飼い主を相手取り、治療費・慰謝料など損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は5月14日、夫婦それぞれに約8万円(うち慰謝料5万円)の支払い命じる判決を言い渡した。

●柴犬の楽ちゃんのお尻が噛まれた

原告夫婦の飼い犬は、柴犬の「楽」(がく)ちゃん(オス・10歳)。判決などによると、原告妻は2018年3月28日夕方、楽ちゃんの散歩のために、近所にある公園(東京都杉並区)を訪れた。

その公園には、それぞれ飼い主がちがう2匹の犬がいた。楽ちゃんが、1匹の犬(訴外犬)に唸ったことに反応して、もう1匹の犬(被告犬)が、原告妻の背後に回り込んで、楽ちゃんの肛門付近に2、3回噛み付いた。

楽ちゃんは重傷を負って、動物病院で同日、肛門周囲の縫合手術を受けたほか、同年11月まで5回にわたって受診することになった。原告によると、楽ちゃんはいまだに排便困難に苦しんでいるほか、ビクビクしながら背後を振り返る頻度が増えたという。

●東京地裁は「ノーリード」を認めなかった

大きな争点になったのは、被告犬が「ノーリード」(リードをしていない状態)だったかどうか。

東京地裁は、被告犬はリードに繋がれており、被告もリードを手放していなかったとしつつも、「引っ張られて手を伸ばした状態になっており、被告犬を制御することができなかった」と判断。

そのうえで、「被告犬が原告犬に危害を及ぼすことないよう、被告犬の動静に注意し、原告犬と十分な距離をとるか、被告犬が原告犬に近づいた場合には、リードによって被告犬を適切に制御すべき義務があるのにこれを怠った」として、被告の責任を認めた。

●「控訴しなくてもノーリードはダメだと訴えていきたい」

この日の判決後、原告側は東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。

原告妻は「私たちは一生、咬傷事件の傷を背負って生きていきます。わたしたちの犬が、聞いたことのない悲鳴をあげつづけたほど酷い咬傷事故だったこと、心身ともに後遺症が残ってしまったことを一生忘れることができません」と述べた。

判決については不服としながらも、「控訴したい気持ちはありますが、『被告がノーリードだった』という録画(証拠)がないと、控訴しても(その部分で)勝てないと思っていますので、きょうの段階で控訴する気はありません」と話した。

一方で、「犬のノーリードの事故で苦しむ人は、日本にはたくさんいる」「とにかく犬のノーリードをなくしたい。こういうことがまかり通っていけないと思って裁判を起こしたので、控訴はしなくても、ノーリードはダメだと訴えていきたい」と強調していた。