世界一の人口を誇る中国は日本以上の「競争社会」であり、「スタートラインで負けてはいけない」を合言葉に、幼稚園から大学受験に向けて競争が始まると言われている。(イメージ写真提供:123RF)

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 世界一の人口を誇る中国は日本以上の「競争社会」であり、「スタートラインで負けてはいけない」を合言葉に、幼稚園から大学受験に向けて競争が始まると言われている。

 この傾向は韓国も同様で、中韓2カ国の受験戦争の厳しさは日本でもよく知られているが、中国メディアの網易は9日、中国に比べると日韓の受験生たちが「勉強をして、大学に入る目的」には大きな違いがあると主張する記事を掲載した。

 記事はまず、教育はその国の政治・社会構造に大きく左右されると主張し、それゆえ同じ民主主義国の日本と韓国では、受験生の辛さも似ていると主張した。そして、中国と日韓では大学受験の目的には大きな違いがあると主張し、それは「日本と韓国の学生たちを見ていれば分かる」と主張した。

 続けて、日韓の学生たちは中国の学生に比べて、自分がイノベーションを生み出し、財産を築きたいという「強い欲望」がないと主張し、日韓の学生たちが良い大学に入ろうとするのは「良い就職先」を見つけるためにすぎず、あくまでも既存の構造や体制のなかで自らの命運を変えようとしているにすぎないと主張した。

 1つの企業に長くとどまって働くという考え方が薄い中国では、一流大学を目指すのは「良い就職先を見つけるため」という人は少ない。しかも中国では起業意識が高い人が多く、良い大学で良質なコネクションを築き、将来的には一旗挙げようと考える若者は多い。起業意識が高く、実際に起業する人も多いことが中国経済にダイナミズムをもたらしている要因は否定できないだろう。だがその一方で、中国の大学受験の競争は極めて激しいうえ、大卒生の急増で卒業後の就職先がなかなか見つからないという現実もある。

 中国と日韓では「勉強をして、大学に入る目的」に多少の違いはあれど、大学を卒業しても就職先がないのはあまりにも辛いのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)