驚愕の880psの「F8XX」完成! フェラーリの斜め上をいく「マンソリー」マジックとは

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マンソリー流ボディメイクは見かけ倒しではない!

 フェラーリ「F8トリブート」、「ポルトフィーノM」、そして「SF90ストラダーレ」と「ローマ」。フェラーリの8気筒シリーズのラインナップは、そのキャラクターを完全に理解するには、少々難しい存在になった。

 それらはいずれも世界の第一線に並ぶパフォーマンスを持つモデル達だが、フェラーリが狙う位置づけによれば、F8トリブートとSF90ストラダーレはスーパースポーツ。ポルトフィーノMとローマはGT=グランドツーリングと、比較的シンプルなものであることが理解できる。

F8トリブートから最高出力をプラス160psの880ps、最大トルクをプラス190Nmの960Nmにまで引き上げたマンソリー「F8XX」

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 チューニングメーカーにとってもそれは十分に理解されているところで、さらなるパフォーマンスを誇示するには、スーパースポーツたる素材を選択するのがベストであることを彼らは熟知しているのだ。

 毎回過激なチューニングでカスタマーの目を楽しませてくれるドイツのマンソリーが今回発表した「F8XX」も、そのネーミングからも想像できるとおりF8トリブートがベースとなっている。

 目にも鮮やかなカターニア・グリーンのボディカラーと、その前後を貫くツインのストライプ。

 F8XXで採用されているマンソリー・オリジナルのボディパーツは、まさに数えきれないほどの数に及ぶ。フロントエプロンやサイドスカート、リアエプロンなどはその典型的な例である。

 リアウイングは左右で分割され、ふたつのL字型パーツに姿を変えている。ほかにはドアミラーカバーもオリジナルだ。

 またゴールドのホイールは、マンソリーのデザインによる「YT.5」がセットされている。タイヤサイズは、フロントが255/30ZR21、リアが335/25ZR22となり、ノーマルが前後20インチサイズを使用するのとは、そのセッティングが大きく異なっている。

「F8XX」は、ノーマルから160psアップの880ps!

 インテリアのフィニッシュも実にゴージャスなものだ。内装はベージュが基調色となり、シートもそれに合せたスペシャル仕様となっている。

 フロアからシートにかけてはホワイトのアクセントカラーが配され、また助手席前方のグローブボックスの上には、MANSORYのロゴを刻んだプレートがフィットされる。そのキャビンを覗き込んだ者は誰もが、思わず土足でその空間に足を踏み入れることを躊躇するに違いない。

マンソリー「F8XX」の最高速は354km/h、0−100km/h加速は2.6秒

 ノーマルのF8トリブートのエンジンは、最高出力720ps、最大トルク770Nmとスーパースポーツの名に恥じないスペックを持つが、マンソリーはこれにさらにチューニングの手を入れた。

 ECUや吸排気システムに独自の手を加えることによって、最高出力をプラス160psの880ps、最大トルクをプラス190Nmの960Nmにまで引き上げることに成功した。

 それによって最高速は354km/hへとノーマルのF8トリブートから14km/h向上。一方、0−100km/h加速も2.6秒と0.3秒を短縮することに成功した。

 スーパースポーツのチューニングとは、こういうものだというマンソリーの、自信と誇りに満ちた笑顔が想像できるかのようなスペックだ。

 さらに注目すべきは、ノーマルで292g/kmと発表されていたCO2排出量が、このF8XXでは284g/kmに減っていることだ。ただし、WLTPモード燃費は、総合で7.7km/Lから7.2km/Lへと悪くなっている。これは880psへの代償といったところだろうか。次作への期待も大きく高まるチューナーだ。