イタリア・サンフェリーチェチルチェーオのガタリ洞窟で発見された、ネアンデルタール人の化石。(上から)正面から見た女性の頭蓋骨、上から見た女性の頭蓋骨、右手の親指の中手骨(右)、成人男性のものとみられる右の大腿骨の骨幹(左)、正面から見た男性のものみられる頭蓋骨(中央)、上から見た顎骨、顎がついた性別不明の前頭部。イタリア文化財省提供(撮影日不明、2021年5月8日提供)。(c)AFP PHOTO / ITALIAN MINISTRY OF CULTURE / HANDOUT

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【AFP=時事】イタリア文化財省は8日、国内の洞窟でネアンデルタール人9人の化石を発見したと発表した。

 ローマとナポリ(Naples)の間の海岸に位置するサンフェリーチェチルチェーオ(San Felice Circeo)のガタリ洞窟(Guattari Cave)で発見された化石は、すべて成人のものだと考えられるが、うち1人は若者だった可能性もある。

 文化財省は、8人は5万〜6万8000年前のもので、最も古い1人は9万〜10万年前のものだとしている。これより前に発見された2人と合わせ、ガタリ洞窟で発見されたネアンデルタール人は11人となるという。同省は「この地はネアンデルタール人の歴史において、最も重要な場所の一つであることが確認された」と述べている。

 ダリオ・フランチェスキーニ(Dario Franceschini)文化財相は「非常に素晴らしい、世界的な発見だ」と強調した。

 発掘作業を率いたフランチェスコ・ディ・マリオ(Francesco Di Mario)氏は、今回の発見は、この地域に多くのネアンデルタール人がいたことを示すものだと指摘している。また、発掘で人類学研究を指揮したマリオ・ルビーニ(Mario Rubini)氏は、イタリアにおける定住の歴史解明の重要な手がかりとなると説明した。

 1939年2月に労働者らによって偶然発見されたガタリ洞窟では、2019年10月から新たな調査が進められている。

 最新の発掘では、動物の骨も多数発見されている。ハイエナやその被食者の骨も見つかっており、ハイエナが洞窟に持ち帰り、保管していたと考えられている。

 ゾウやサイ、オオツノジカ、ホラアナグマ、野生ウマ、絶滅したウシ属のオーロックスなど、大型哺乳類の骨も見つかっている。文化財省によると、骨の多くにはかじった明確な跡が残されていた。

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