【シェフのまかない飯 #2】激うま「回鍋肉」を人気シェフが直伝!
人気レストランのシェフに、自慢の“まかない”のこだわりとレシピを聞く「シェフのまかない飯」。
今回は南青山にあるにある中華といえばこのお店「4000 Chinese Restaurant」の菰田欣也シェフに登場いただきます!
「4000 Chinese Restrant」のまかない飯。食べたいものがあればシェフ自ら作る!
料理のプロが作るまかない飯には、きっと「隠れた逸品」があるに違いありません。
新人が作ることも多いといわれていますが「4000 Chinese Restrant」の菰田シェフは食べることが好きだから、食べたいものがあれば自分で作るのだそうです。
今回のまかない飯のレシピはごはんのおかずに最強の「回鍋肉」です。
「回鍋肉」とは
回鍋肉は、四川料理を代表するお料理。いまや日本全国の中華料理店やラーメン店でも食べることができます。
もともとは、一度茹でたり蒸したりしたお肉をお供え物にし、それを人間がいただくという意味があるのだそう。
加熱処理した豚肉を使うことで、縮みが少なかったり、甘みが増したりというのが「回鍋肉」の語源です。
元々、回鍋肉には葉ニンニクが入っていますが、日本には葉ニンニクがないため、日本の「回鍋肉」ではピーマンとキャベツが葉ニンニクの代わりに使われているのだとか。
定番まかない、菰田シェフのご飯に合う「回鍋肉」レシピ
材料(1人分)
豚バラ肉 150g厚揚げ 2枚キャベツ1/4ネギ 2本ピーマン 2個■調味料A(肉の下ごしらえ)
おろしにんにく 小さじ1/2豆板醤 大さじ1甜面醤 大さじ1と1/3油 大さじ1■調味料B
酒 大さじ1醤油 小さじ2胡椒 少々みりん 小さじ1(仕上げ用)【下準備】
1.ネギは5mmくらいに斜め切りします。
2.ピーマンは包丁を入れ、グッと押さえて包丁を前後に動かしながら、回すように切り、さらにひと口大に切ります。
3.キャベツは葉っぱを数枚ずつ外します。ひと口大に切りますが、キャベツは葉の場所によって切る大きさを変えます。
芯の部分は切ったら叩いてやわらかくします。
【菰田ポイント】
キャベツは芯から甘味が出る!
4.厚揚げを1cm弱の厚さに切ります。
■【菰田ポイント】
厚揚げを入れることにより、食感が楽しくなり、味が絡みやすくなる。
5.豚バラ肉は4等分くらいに切ります。
6.豚肉に片栗粉をまんべんなくつけ、余分な粉は落とします。
■【菰田ポイント】
回鍋肉の最大のポイントは、豚肉に片栗粉をまぶすこと。そのまま焼いてしまうと水分が抜けて、お肉が縮んでしまう。縮んだお肉には味が絡まない。
片栗粉は肉の水分を逃がさず、味がしっかりと行き渡るために付けるもので、多すぎず少なすぎず、肉の肌にしっかりつくだけの量でいい。
【調理】
1.お湯を沸かします。
2.最初にピーマンを入れて、すぐにキャベツを入れて茹でます。
■【菰田ポイント】
ネギは茹でない。香りが出るので炒める!
3.キャベツなど野菜の色が変わったら、ザルにあげます。
4.フライパンに油を敷き、片栗粉をまぶした豚肉を入れます。
■【菰田ポイント】
お肉が一度に焼けない場合は無理せず2回に分けて焼きます。
5.片栗粉が透明になったら、ひっくり返します。
6.火が通ったら、先ほどザルにあげた野菜の上にお肉もあげます。
7.厚揚げを両面ともしっかり焼きます。
■【菰田ポイント】
両面を炒り焼くことで、味が絡みやすくなり、炒めても壊れにくくなる!
8.野菜とお肉が入っているザルに厚揚げも置いておきます。
9.ネギを焼きます。
■【菰田ポイント】
香りを出すのが目的なので慌てず焼く。
ここでネギを取り出して調味料を合わせるというレシピも多いが、さまざまな具材を焼いてきておりフライパンの温度が上がっているので、ここに豆板醤や甜面醤を入れるとすぐに焦げてしまうので注意。
10.火を一度消して調味料を入れます。
■【菰田ポイント】
ネギの上に、おろしにんにく小さじ1/2、豆板醤大さじ1、甜面醤大さじ1と1/3、油大さじ1を入れる。フライパンに直接調味料を入れないことが焦げつかず、油跳ねを防ぐポイント。
11.中火にして、全体的に味を行き渡らせます。
12.ザルにあげた野菜や厚揚げなどをフライパンに戻し入れ、混ぜます。
13.お酒を大さじ1、胡椒を適量、醤油小さじ2を加えて炒めます。
■【菰田ポイント】
炒めすぎるとキャベツがしなしなになってしまうので、炒めすぎない。
14.辛くしたい場合は、さらに一味唐辛子、ラー油などで辛みを出します。
■【菰田ポイント】
豆板醤入れると塩分が上がってしまうので、辛みのために豆板醤は追加しない。
15.ツヤや甘味を足したい場合は、みりんを小さじ1杯入れてなじませたらできあがり!
■【菰田ポイント】
市販の豆板醤は少し角が立ったようなところがあるので、仕上げにみりんを入れることでちょっとプロっぽい味になる。
ごはんが進む中華の王道の1つといえば「回鍋肉」。菰田シェフから教えていただいたポイントはたくさんあります。
中華は強火で豪快にというイメージがありますが、フライパンにどんどん具材を入れてしまうとボリュームが増えすぎて作り切れなくなってしまうので、実際には素材1つずつの下処理をしたり、事前に茹でたり焼いておくなどの積み重ねなのだそうです。
失敗の原因は慌てること、炒めすぎてしまうこと。
1つずつの作業は難しいものではないので、絶対に失敗しない菰田シェフのレシピで「回鍋肉」を作ってみてはいかがでしょう。少しの手間で自宅でプロの味が楽しめますよ!