三谷三四郎氏(撮影/水野谷維城)

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 娘を育てるためにゲイになった男、収入源は“ゆすり”でそのお金で宇宙に行くことを目標とする老人、35歳で職歴なしのセレブ女子……。そんな強烈な人生を送る人々を街中から見つけ出し、彼らの心の叫びに耳を傾ける男、それがYouTubeチャンネル「街録ch-あなたの人生、教えてください-」の三谷三四郎だ。

 チャンネル開設からわずか1年で登録者数は28万人超。「変わった経歴の人に会いすぎて1〜2回の逮捕とかじゃ驚かなくなりました」と笑う三谷氏にこのモンスター級チャンネルの制作秘話を伺った。

◆市井の人々の心の叫びを映す

「番組立ち上げ直後は新宿などで、変わった人がいたらその場で声を掛けていたんです。最近はありがたいことに自薦の声が絶えません。一日10件はきますね。そこから経歴を見てこの人だと思った人を選んでいます。

 でも、やっぱり街で適当に声をかけたら、めちゃくちゃ面白いじゃん、この人っていうのが一番テンション上がるんですよ。正直、労力としても大きいけど、街での声掛けは続けていきたいですね」

 出演者は強烈な個性の人間ばかり。正直、トラブルも多そうだが「ありがたいことに、ほぼない」のだとか。

「元受刑者をインタビューすることも多いんですが、殴られたり脅されたりもないですね。あるとすれば撮影した本人ではなく、その周りの人たちからクレームがくるケース。その場合は言い分を聞いて、修正することもあります」

◆「なるべくカットしない」理由

 トラブルが少ない秘訣は三谷氏の制作方針にもある。

「僕がYouTubeをやるうえで唯一の勝算みたいなものがあって。配信当初から、取材を受けてくれた人が少しでも得になるような動画作りを心掛けているんです。その人が誰かに聞いてほしかった言葉をちゃんと語ってもらう。そうすればその人と、その周辺の10人くらいは登録してくれるんじゃないかなって。それなら1000本作れば1万人はいくか、みたいなことは考えてました。まさか一年で27万人いくとは思ってなかったけど(笑)。取材を受けてくれた人には感謝しかないです」

 ほかにも「カットはなるべくしない」という方針があるという。

「相手に人生を語らせておいて、その話を切るってことは、その人の人生を否定することになる。お前の人生つまらないよ、って。それは相当失礼だと思ってるんです。だから、正直、動画のなかには盛り上がりに欠ける時間もあるんです。でもそれをカットすることで、“あ、あそこ切られた”って嫌な気分になられたら申し訳ない。なので、カットはまずしないですね」

◆面白さを優先して出演者を裏切るようなことはしない
 これまで200人近くの出演者がいるが、ほぼ全員がモザイクなしの顔出し出演というのも驚きだ。

「出演者が得するようにという方針が効いてますよね。完成した動画も、チェックしたい人にはちゃんと観てもらってます。カットの希望があれば応じます。配信後もなにかあったら動画は削除しますと伝えてるので。普通なら勇気のいる顔出しもみんな快く了承してくれるんです。なにかあったらすぐ動画が消せるというのもYouTubeのいいところですね。

 “損得”についてもそうですが、“恨まれるようなことをしない”というのも徹底してます。僕が勝負するのはそこじゃない。僕の動画に出てくれている人はほぼほぼ無償で出演してくれて、協力しかしてもらってない。

 だから面白さを優先して、その人たちを裏切るようなことも絶対にしません。無理に面白くするんじゃなく、面白い人を見つけて、その奥底にある人間らしさを動画に映し出すことのほうが大事なんだと思ってます」◆オチをつけたりイジりはしない