蔡英文総統=資料写真

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(台北中央社)英誌エコノミストが最新刊で台湾を「地球上で最も危険な場所」と指摘したのを受け、蔡英文(さいえいぶん)総統は先月30日、自身のフェイスブックを更新し、中国の脅威は確かに存在するものの、政府は「考え得る各種のリスクを管理し、必ず台湾の安全を守れる」と強調した。

同誌は特集記事で、台湾をめぐって米中が対立する情勢を取り上げ、双方は戦争を避けるために努力しなければならないと呼び掛けている。

蔡氏は、「この報道は軍備拡張を進める中国が台湾海峡や近隣地域にとっての脅威となっていることを示すものだ」と指摘。人民解放軍の行為が完全に「平和的台頭」という構想から逸脱し、国際社会の疑念を深めていることを北京当局が理解するよう期待した。

その上で、世界経済における台湾の立ち位置を確立し、国防力強化に努めることで国際的な責任を果たし、台湾をインド太平洋地域の善のパワーとして世界に認められる存在にするとつづり、国民に団結を呼び掛けるとともに、世界の民主主義陣営との連携にも期待を寄せた。

蘇貞昌(そていしょう)行政院長(首相)も1日、台北市内で報道陣の取材に応じ、同件についてコメントした。蘇氏は、中国の軍用機や艦船が台湾周辺海域での飛行・航行を繰り返し、台湾の安全を脅かしている状況下、「自助」あってこその「共助」だと強調。非友好的な国に囲まれながらも国際的な地位を得ているイスラエルを例に挙げ、自身の価値を高めることで世界に尊敬され、必要とされることこそ台湾が生き残る道だと述べた。

(蘇龍麒/編集:塚越西穂)