本屋大賞って、足しげく日本全国の本屋さんを回れば貰える賞じゃない。書店員さんが出版されたたくさんの本の中から“これは!”と思うものを選出、その中から大賞が決まるわけで、友人のリリー(・フランキー)さんが3回目の受賞者。受賞作が文庫化した際、リリーさんのアイデアでその帯の一部に“第8回みうらじゅん賞受賞”としたものが混じって出回った。

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2021年本屋大賞「超発掘本!」を受賞したみうらじゅんさん ©釜谷洋史/文藝春秋

 今回、僕もそんな“おもろ”を仕掛けたいところだが、大賞とはいえその中の“発掘部門”。元来、掘ることは得意だが、掘られることは初めて。受賞作『「ない仕事」の作り方』(文春文庫)にはとても相応しい部門名であり、早速ママで文庫本の帯に巻かせて頂いた。どうもありがとうございました!

 ところで、下の写真を見て頂きたい。これは今から40年ほど前のもの。一応、漫画家としてデビューを果したが、やたら依頼があるのは当時、マイブームだった“牛”の方。集めたグッズを毎度、部屋の床に並べ、得意気に見せるという、“出店スタイル”。時にはカメラマンから「牛の決めポーズを」などという無理難題を突き付けられ、弾けられず凹んだこともあった。

 後に掲載された雑誌を見ると僕の肩書きは『牛収集家』。何、それ? たぶんこれが公での“ない仕事”の始まりだったように思う。

 世間はそれを「単なる趣味でしょ」って言うけど、好きが高じ、そのネタをどうすればもっとエンタメ化出来るかを考え、行動することが“ひとり電通”のやり口だ。どうよ? 現在の写真。ネタは牛からワニに変っただけで全くやってることは同じでしょ。もはや還暦過ぎると「こう撮って」と、自らカメラマンに指示するまでになったけど。コレ、すなわちキープオンじゃなく、ループオン・ロケンロール! 也。

 ちなみに発掘本に選出して下さった博多の本屋の方、今年のみうらじゅん賞にノミネートされてますよ。

(みうら じゅん/週刊文春 2021年4月29日号)