photo by gettyimages

写真拡大

ついにM1チップがiPadに搭載

4月30日より予約受付がスタートする新型「iPad Pro」。標準的なパソコン顔負けのスペックを誇る新機種の投入により、ユーザーは今ひとたび「買うべきか、どうするべきか」という問いに頭を悩ませることになりそうだ。

スペックをおさらいしよう。11.9インチと12.9インチの2モデルがラインアップされ、12.9インチモデルに1万個のミニLEDバックライトを採用。さらに高精細なディスプレイへと進化した。

photo by gettyimages

チップには、なんと最新のMacBook Airにも搭載されているM1チップを採用。従来のA12ZBionicとの比較で、処理性能は50%アップしたという。

そしてもうひとつの目玉は、8GB/16GBという大容量のメモリを搭載することだ。現在市販のノートPCは、8-10万円台のボリュームゾーンでは多くの機種が8GBを積んでいる。

これにM1チップが組み合わさることで、下手なノートPCの最新機種よりもハイスペックなタブレットになったわけだ。空前絶後の超ハイスペックタブレット、これが購入検討ポイントの1つである。

アップルが想定しているとみられるユーザーは幅広い。ブラウジングや動画視聴だけでは確実にオーバースペックなこの機種が、動画撮影・編集など重い処理を要求されるクリエイティブにターゲットを合わせているのは間違いない。

ネットの反応を見てみると、「絵描きガジェットの決定版」という意見がいくつか見られる。高精細ディスプレイと12.9インチという大画面は、イラスト作成などに向いている。イラスト用「液タブ」を凌駕する存在として、重宝される可能性はありそうだ。

MacBookAirより高い

一方で、発表会見では「テレワーク仕様」を強調、またプレステ5などのゲームコントローラーへの対応も示唆した。近年のハイスペックなハード環境を要求されるネットゲーム(特にFPSなどスポーツ性の高いゲーム)においても、iPad Proは遺憾無く性能を発揮するという。

ここから言えることは、クリエイティブな作業を行わないユーザーにもマーケティングの目を向けているということだろう。ラグジュアリー層に向けた戦略のひとつでもあるのかもしれない。

ただ、もちろんというべきか、最大のネックはその価格だ。12.9インチモデルはストレージ最小の128GBでも129,800円(税込)。16GBメモリ搭載の1TBだと178,800円だ。

同じくM1チップ搭載の現行MacBook Airが115,280円から購入できることを考えると、もはやPCよりもタブレットのほうが高いプライスゾーンに設定されていることがわかる。

iPadOSでは使えないアプリがあったり、アプリの仕様が違ったりで仕事に支障をきたす、というケースもあるかもしれない。

その点でいえば、「テレワーク仕様」と言っても、あくまでサブデバイスとして活用する場合が増えるはずだ。そうすると、サブデバイスに13万円弱を投資できるか…という問題が生じてくる。

「買い止め」の1台にするかどうか

そして、スペック面以外に大きな変化がないのも、買い替えを躊躇させる部分かもしれない。たしかに超広角カメラや被写体をフレーム中央に配置する「Center Stage」などは搭載されているが、この機能目当てにiPad Proへ乗り換える人がどれだけいるか、ハッキリ言って未知数だ。ここも購入を検討するうえで重要なポイントである。

そして、まだ実機が確認できないので断言できない部分もあるが、12.9インチという画面サイズをイメージすると、かなり大きい。

それこそ、MacBookAirの13インチのディスプレイサイズとほぼ変わらないわけで、外付けのキーボードと合わせたら、軽いPCより重くなってしまう可能性もある。「モバイルデバイス」として大きいのはどこまでいいことなのか、このあたりは好みが分かれるところだろう。

また、根本的な問いになってしまうが、「これだけのハイスペックが必要なのか?」という問題がつきまとう。SNS上でも、「イラストレーターをやっているが、ここまでの作業環境は必要なのか」「現行モデルでもじゅうぶん」など、アドバイスを送り合っているクラスタが散見された。

以上、アップルの発表と SNSの反応をベースに、新型iPad Proの購入する際に検討すべきポイントを列挙してみた。いずれにしても、アップルが「タブレットの決定版」としてこのデバイスを送り出したことは間違いない。

アップルのラインナップのなかでも、iPadは売り上げが好調に伸びている「成長株」だ。今後もオンライン授業のさらなる普及などで、タブレットの需要はかなり硬く見積もれる。

また、iPad OSとmacOS「Big Sur」の親和性が高くなったことを考えると、いずれiPadとMacBookシリーズはゆるやかな融合を迎える可能性はじゅうぶんにあり得る。それを見越したうえの「PC超え」スペックなのかもしれない。

アップル「渾身の一作」にどこまでお金を落とせるかーー。結局はおサイフとの相談だが、「買い替え沼」にハマっている人は、これを「買い止め」として使い続けるのもひとつの手だろう。