ヤマハ銀座店が4月17日にリニューアルオープンします。ヤマハの説明によれば、楽器販売だけではない『体験型のブランドショップ』に生まれ変わったとのこと。実際、店内はどんな雰囲気になったのでしょう? メディア内覧会に参加し、“デジタルな目線”からヤマハ銀座店の進化を見てきました。

ヤマハ銀座店はどう変わった? デジタルの導入例に注目してきた

○歌うように会話する小型ロボット「Charlie」がお出迎え

ヤマハ銀座店は、東京都中央区の銀座7丁目に店舗を構えるヤマハの旗艦店であり、国内最大級の総合楽器店です(地下鉄銀座駅 A3出口より徒歩約5分)。2020年10月には1階と2階のカフェ併設ブランド体験エリアが先行オープンしました。そして今回のリニューアルでは、地下2階の「ヤマハ銀座スタジオ」、地下1階の「ギター・ドラム・シンセサイザー・音楽制作フロア」が大きく変わり、地上3階〜5階も部分的に改装しています。

ヤマハ銀座店(東京都中央区銀座7-9-14)。営業時間は11時〜18時30分、火曜定休。2021年2月1日から4月16日まで、店舗改装のため休業していた

エントランスを入ると、何やらにぎやかな声が聞こえてきます。言葉をメロディに乗せ、歌うように会話するコミュニケーションロボット「Charlie(チャーリー)」が来店者をお迎えしているところでした。ちなみにこのCharlieですが、一般向けにも2021年5月13日に発売を予定しています。

エントランスではコミュニケーションロボット「Charlie(チャーリー)」が出迎えてくれる

2階から1階を見下ろしたところ。ヤマハデザイン研究所によるデザイン作品「key between people」が設置されており、円形のカフェテーブルとしても利用できる

○室内の残響がガラリと変わる! 「ヤマハ銀座スタジオ」

地下2階には、ヤマハの音場支援システム「AFC(Active Field Control)」が体験できる「ヤマハ銀座スタジオ」を設営。最大収容人数200名の空間で、天井を見上げるとスピーカー、照明、マイクがたくさん設置されているのが見えました。

地下2階のヤマハ銀座スタジオ。天井には指向性のマイクが4本、無指向性のマイクが8本、スピーカーが37個設置されている

このスタジオでは、空間に拡がる音の残響感や音量感をコントロール可能です。デジタルの観点で説明をすると、マイクで拾った音をスピーカーから再生し、その再生音に部屋の響きを加えた音を再び収音する音響的ループを利用して響きを増強する『室内音場制御方式』と、収音した音に様々な反射音データを合成することで任意の音場を再現する『音場合成方式』という2つの技術を応用しています。

ヤマハのAFCシステムの概念図

現場の担当者にAFCシステムのオン / オフのコントロールをお願いしました。まずはAFCシステムをオフにして手を叩いてみると、音の響きはデッドでした。まったく響きません。次にオンの状態で手を叩くと、なるほど「パァーーーン……」と5秒ほどの残響音が聞こえました。音の減衰の仕方も、とても自然。ちなみに残響音5秒は、ヨーロッパの大聖堂における響きと同等だそう。それを聞いてから、今度は「おーい」と(マスクをしながら)声を上げると、石造りの大聖堂のなかで遠くの誰かを呼んだときのような反響が得られました。このシステムを使えば、ユニークな催しもたくさん実施できそうですね。

このヤマハ銀座スタジオでは、予約不要(体験無料)の映像・音響体験アトラクション「WONDER FILMING〜体感! イマーシブサウンドの世界〜」が毎日楽しめるほか、ピアノのコンサート、アーティストによるライブパフォーマンスなど、様々なイベントや催し物が実施される予定です。

写真は、一般向けに上映される常設コンテンツ「WONDER FILMING〜体感! イマーシブサウンドの世界〜」。臨場感ある音が前後左右上下から、様々な角度で飛んでくるのが面白い

○音楽制作フロアで遠隔合奏サービス「SYNCROOM」を体験

地下1階は、ギター・ドラム・シンセサイザー・音楽制作のフロア。楽器だけでなく、音楽制作のための機材も充実していました。

地下1階にはヤマハのギターやドラムなどを多く展示。シンセサイザー、音楽制作機器のほか、グループブランドのLine 6、Ampeg、Steinberg製品も取り扱っている

防音室には、オンライン遠隔合奏サービス「SYNCROOM」が体験できる環境が整っていました。文字通り、遠隔地にいる楽器プレイヤーとオンラインセッションが楽しめるサービスです。ヤマハの技術によりCDクオリティの「高音質」で、しかも「遅延なく」合奏できるということで、いま利用者が急増しているとのことでした。

オンライン遠隔合奏サービス「SYNCROOM」の体験ブース。PCとオーディオインタフェース、マイクがセットされていた

macOS版「SYNCROOM」アプリの設定画面。オーディオデバイスや音質などの各種設定が行え、44.1kHz(もしくは48kHz)/16bitというCD並みの「高音質」設定も選べる

○ひと息つけるカフェラウンジも用意

エントランスのある地上1階、および2階にはカフェを設置しています。疲れたときに、ひと息つける場所があるのはうれしいですね。

1階では、音叉マークの焼印が入った”DORA”YAKI(330円)のほか、アートラテ、クラフトドリンクなどを販売

1階のカフェスタンド

ラウンジフード&ドリンクを楽しめるNOTES BY YAMAHA(2階カフェラウンジ)では、バーチャルライブシステム「Real Sound Viewing」で生演奏を楽しめる趣向になっています。これは、プロの演奏をデジタル化して再現する技術です。ピアノは自動演奏機能付きのピアノ「Disklavier」を使い、ドラムとウッドベースは演奏データを電気信号にデジタル変換し、振動に変えることでアコースティック楽器を鳴らしています。

2階カフェラウンジで「Real Sound Viewing」で生演奏を堪能。大型ディスプレイには演奏者の映像が映し出されていた

「この空間では、アコースティック楽器によるライブ演奏を楽しんでいただけます。スピーカーで聞く音とは違い、生音が聞けるのが特徴です」と担当者。ヤマハではこの自動演奏の技術を利用することで、遠方で聞きに行けないアーティストの演奏や、解散してしまったバンドの演奏なども「いつでもどこでも」「臨場感たっぷりに」楽しめると説明しています。

演奏データを振動に変えてアコースティック楽器を鳴らしている

ドラムセットにも演奏データを振動に変える装置が取り付けられている

○楽譜や楽器フロアもリニューアル

このほか、3階の楽譜・書籍・CDフロアでは洋書ラインナップを充実させました。また、4階の管楽器・弦楽器・打楽器フロアでは試奏室の音環境の改善がはかられ(管弦楽器のリペアスタッフも常駐)、5階のピアノ・電子ピアノ・エレクトーン・防音室フロアではおすすめ商品の展示方法が変わるなどしています。

3階の楽譜・書籍・CDフロア

4階の管楽器・弦楽器・打楽器フロア。管弦楽器のリペアスタッフも常駐する

5階のピアノ・電子ピアノ・エレクトーン・防音室フロア

最後に、リニューアルしたヤマハ銀座の様子を動画(1分42秒)にまとめましたので、そちらもぜひご覧ください。