トッテナムFWソン・フンミン【写真:Getty Images】

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物議を醸したソン・フンミンへのファウル判定に対し韓国メディアが見解

 プレミアリーグ第31節トッテナム対マンチェスター・ユナイテッド(1-3)の一戦で、トッテナムの韓国代表エースFWソン・フンミンへのファウル判定を巡り、英国内で議論が展開された。

 これを受けて韓国メディアは、ソン・フンミンへの過剰な批判に対し疑問を呈している。

 物議を醸しているのは前半33分のシーンだ。ユナイテッドのウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニがゴールネットを揺らしたが、得点に至る直前のプレーでユナイテッドMFスコット・マクトミネイの右手がFWソン・フンミンの顔面にヒット。これがファウルか否かのレビューをVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が進言し、クリス・カヴァナ主審がオンフィールドレビューを行った結果、ファウルが認められノーゴール判定となった。

 スロー映像ではマクトミネイが意図的に顔を叩いたようには見えなかったこと、さらに、その場で倒れ込んだソン・フンミンの振る舞いが「大袈裟」と見なされたことで物議を醸し、トッテナムの公式ツイッター上には人種差別的なコメントが相次いだ。さらに英衛星放送「スカイ・スポーツ」で解説を務める元マンチェスター・ユナイテッドのロイ・キーン氏は、「これがファウルだと言うならみんな家に帰るべきだ。ソンほどの選手があんなふうに転がり回るなんて恥ずかしいことだ。あれはファウルではないはずだ」と主張するなど、ソン・フンミンへの非難へと発展している。

 これを受けて韓国紙「朝鮮日報」は、現地取材記者による論評を掲載。「ソン・フンミンは『被害者』。非難される理由はない」と見出しが打たれた記事で、「明らかにソン・フンミンに落ち度はない。にもかかわらず、彼はとんでもない批判を受けている。なぜか」と”無罪”を主張した。ユナイテッドのMFポール・ポグバがトッテナムDFセルジュ・オーリエに対して肘打ちを見舞ったシーンなどを引き合いに、「彼らにはなんのお咎めもない。批判の矛先はソン・フンミンにのみ向けられている」との見解を綴っている。

ソン・フンミンの振る舞いに対してスールシャール監督も反応

 ソン・フンミンの振る舞いに対しては、ユナイテッドのオレ・グンナー・スールシャール監督も反応。試合後のインタビューで「もし私の息子が3分間倒れたままで、10人の仲間が彼を起こすのを助けなければならないとしたら、彼には食べ物を与えない。なぜならそれは恥ずかしいことだから」と言及している。

 こうした非難に対して、トッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督がスールシャール監督の発言に応戦するなどクラブ側はソン・フンミンを擁護する姿勢を見せている。一方で、記事の最後では「最後に疑問が残った。もし、それがソン・フンミンではなく、イギリスのスター選手だったら。あるいは、アジア人ではなく、白人や黒人だったとしたら? もちろん、同じ基準で彼を批判していたと思う。いや、そう信じたいのである」と綴られており、アジア系人種に対する偏見を懸念していた。(Football ZONE web編集部)