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積算836km シンプルなインテリア

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
8代目フォルクワーゲン・ゴルフのシンプルなインテリアデザインは、かなり前衛的なところにある。デュアルクラッチAT、DSGのシフトノブですら、シンプルで短い。

【画像】最新 8代目フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIとR、ワゴンも 全117枚

実際に操作してみると扱いやすく、動かした時の感触も良い。DからRへの切り替えも、フリック1つで簡単だ。


フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)

反面、取り付けられている位置が低く、運転中は目に入りにくいことも確か。うっかり間違って、電動ハンドブレーキをかけてしまうことが先日あった。

積算1105km ポルシェ911に通じるところ

最新のフォルクワーゲン・ゴルフとポルシェ911。どちらもフォルクワーゲン・グループの基幹モデルであり、両ブランドを支える代表的な2台だ。しっかりと現代へ進化を続けながら、長く続く伝統にも忠実だという特長がある。

先日、筆者は英国ポルシェの本社へ向かい、長期テストのゴルフと最新911との対面を果たした。911タルガ4Sのヘリテージ・エディションへの試乗が目的で、比較テストするためではない。


フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)

一般道を法定速度を守って運転している限り、911がゴルフより先に目的地へ到着することはないはず。でも、クラシカルなスタイリングの911ヘリテージ・エディションなら、多くの人の注目を集めながらさっそうと到着できる。

同時に高速道路を流すような場面では、フォルクワーゲン・ゴルフのモダンで控えめな上質さを改めて実感させられた。もちろん多くの燃料を燃やし、多くのエグゾーストノートを放つのはポルシェの方だ。

モダンな技術で安心・快適な運転を提供

ポルシェ911は、アナログのタコメーターと時計、デジタルのインフォテイメント・システムなどがダッシュボードで融合し、伝統と現代とがバランスしている。他方、ゴルフの車内には初代を彷彿とさせるようなレトロ感はない。

ただし、新しい技術を採用しながら安心で快適な運転を提供するという点では、ゴルフのご先祖と共通している。特にマイルド・ハイブリッドを採用した、1.5 eTSIのパワートレインが筆者にそう感じさせた。


フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)

ガソリンエンジンと電気モーターが組み合わさり、上質さと効率を1ランク高めている。電圧48Vで稼働するスターター・ジェネレーターは、低回転域からトルクを加算。1.5Lガソリン・ターボエンジンの効率もイイ。

惰性走行時にはエンジンは自動的に停止し、低負荷時には4気筒のうち2気筒の休止も行なう。これらが組み合わさり、優れた燃費へと反映されている。

システムの動作は非常に穏やかに行われ、2気筒状態になったことやエンジンが停止したことに気付けないほど。モニター式のメーターパネルの燃費表示を見て、その変化を推測するしかないようだ。

クラシックとモダンとのブレンド

ゴルフ 1.5 eTSIが積むパワートレインの、静かさと効率の良さには感心させられた。まったくストレスなく、高速道路を長距離走っていられる。4気筒エンジンのゴルフに最新の技術が組み合わさって、安楽に現代的な運転を享受できている。

8代目フォルクスワーゲン・ゴルフは、ポルシェ911ヘリテージ・エディション並みの注目度はない。でも、ゴルフはゴルフなりに、クラシックとモダンとのブレンドに成功しているようだ。


フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)

テストデータ

気に入っているトコロ

オートストップ:オート・ハンドブレーキと、アイドリングストップ機能がどちらも見事に機能する。シンプルなことに思えがちだが、なかなかここまで良く動作するモデルは珍しい。

気に入らないトコロ

車線逸脱警報:車線逸脱警報が少し過敏すぎる。スコダのものも同様だが。

テスト車について

モデル名:フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)
新車価格:2万6455ポンド(380万円)
テスト車の価格:3万3830ポンド(487万円)

テストの記録

燃費:14.6km/L
故障:なし
出費:なし