知られざる「消耗品」! 交換イメージがなくとも「寿命」のあるクルマの6つの部分
新品に替えると違いに気づくものもある
厳密に言ってしまうと、自動車そのものが寿命のある消耗品ではあるが、基本的には交換が不要なものと、調子や性能維持のために定期的に交換が必要なものに分かれる。前者はボディパネルやインパネなど。後者はブレーキバッドやエアクリーナーなどだし、長い目で見ればエンジンやミッションも入ってくる。しかしなかには一見すると、どっちに入るかわからないものがけっこうある。そこで今回はそのような微妙なパーツたちを集めてみた。
1)ホイール
普通に使っていれば寿命はないに等しいが、キズが入っているとそこから腐食する可能性が出てきて、ひどいと力がかかった際に危険な状態になる。
また低扁平タイヤを履いていたり、空気圧が少ない状態で路肩にぶつかるなどすると曲がってしまうこともあって、そうなると寿命となって交換が必要だ。曲がった場合、補修は可能ではあるが、曲がった部分を溶接で埋めたりして直していくので、ちゃんとしたところで直さないと形は戻っても強度が戻らないこともある。また、曲がり方によっては専門店でも無理な場合もあって、そうなると寿命だ。
2)ガラス
基本的には割れたりしなければ寿命はない。ただ、フロントに使われている合わせガラスは真ん中にはシートを挟んでいるので、その隙間に湿気が入り込んで、白く曇ることがある。
また、性能の劣化というよりも、ワイパーなどの作動跡がひどくなると、視界がだんだん低下してくるので、かなり長いものではあるが、そういう意味での寿命というか、交換時期というのはあるかもしれない。ちなみに新品に交換すると、かなりキズが付いていたことがわかったりする。
3)ヘッドライト&テールレンズ
ヘッドライトに関しては、樹脂レンズだと寿命はあると言っていい。皆さんもご存じのようにレンズ自体が白く曇ってくるからで、ひどいと車検に落ちるほど暗くなることもある。最近は補修が可能になってきているとはいえ、完璧ではなく、延命的な処置だったりもする。最新のクルマでも将来的にはなる可能性があるので悪しからずだ。
またテールレンズについてはぶつけて割らなければ大丈夫だが、劣化してくると色抜けが起こったり、内部配線の抵抗が増えて端子が焼けて溶けることも考えうるので、絶対に大丈夫とは言い切れないのもまた事実だ。
見落としがちだが重大な危険があるものも存在する
4)エアコン
50年前ぐらいのカークーラーはモーターが壊れたりして、寿命を迎えているものもある。最近のものは品質も上がっているので繊細ではないが、内部に入っているエバポレーターと呼ばれるラジエーターのような部品や配管の継ぎ目からガス漏れしたり、モーターや制御しているセンサーなどの不具合などが起こることは考えられる。
また20年ぐらい経つと、ガスは減ってくるので、補充が必要なこともあったりと、完全メンテナンス&トラブルフリーではないのは正直なところだ。
5)燃料ラインなど
車体の下を覗くと、配管がけっこう走っていることに気がつく。ブレーキ、燃料などだが、これらは細いパイブなだけに、寿命があるかどうか気になるところだ。銅やアルミで作られているので、長い目で見ると寿命はあるし、冬場に融雪剤(塩)が撒かれる地域で使われているクルマは、ボロボロになって最悪の場合破れることも考えられる。
また設計的な面でタイヤからの泥や雨水などの跳ね上げがかかりやすいクルマも正直ある。いずれにしても見落としがちな部分だけに、車検時などにちゃんとチェックするようにしたい。ただ通すだけを続けてきた車両は、気がつくと悲惨なことになっている例もある。
6)塗装
塗装というのは樹脂なので、寿命はある。品質は向上しているし、お手入れで延命することも可能だ。それでも永遠にツヤが続くことはなくて、何十年も乗り続けるなら、全塗装する必要は出てくる。
また最近主流の水性塗料の耐久性について、実際のところはまだわからないことも多いし、メーカーによって塗装のもちが違うのもまた事実ではある。とにかく、コーティング施工やこまめなワックスがけなどが大切となる。