第8回「栄一の祝言」より徳川慶喜(草なぎ剛)と美賀君(川栄李奈)
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 4日に放送された吉沢亮主演の大河ドラマ青天を衝け」(NHK総合ほかにて放送)第8回は、次期将軍の座を巡る急展開のエピソードとなり、草なぎ剛演じる徳川慶喜がいまだかつてないほどめまぐるしく表情を変え、ラストの迫真の演技も注目を浴びている。

 本作は、「日本資本主義の父」と称され、新一万円札の顔としても注目される実業家・渋沢栄一(吉沢)の波乱に満ちた軌跡をたどる物語。第8回「栄一の祝言」では、かねてから想い合っていた栄一と千代(橋本愛)がついに結ばれることに。そのめでたい祝言の裏で、幕府では13代将軍・徳川家定(渡辺大知)が大老に井伊直弼(岸谷五朗)を据え、次期将軍と目される慶喜らを排除すべく動き出したことで波乱の展開に。家定は、亡き老中・阿部正弘(大谷亮平)らが自分を無視して政(まつりごと)を進めていたことへの不満、屈辱を爆発させ、世継ぎを血筋の近い徳川慶福(磯村勇斗)とすることを決め、死に際に井伊に恐ろしい耳打ちをした。

 これまで父・斉昭(竹中直人)をはじめ周囲から次期将軍になるべしとプレッシャーをかけられながらも乗せられることなく冷静に状況を見守っていた慶喜。福井藩の松平慶永(要潤)、橋本佐内(小池徹平)らも慶喜を将軍に推す中、騒動が勃発。天皇に許しを得ないまま「日米修好通商条約」に調印が行われ、違勅に当たる事態に井伊は焦り、尊王攘夷の斉昭は激怒。そんな父の動きを危惧した慶喜は、父よりも先に井伊と話すことに。慶喜は違勅を書面で対処しようとする井伊に怒りをあらわにしながら、世継ぎに慶福が決まったことに「大慶至極」と喜び、器の大きさを見せた。そんな慶喜に圧倒される井伊だったが、家定が逝去すると尊王攘夷派、次期将軍に慶喜を推す一派への弾圧を開始(安政の大獄)。常に冷静沈着な慶喜だったが、この理不尽な沙汰に対して怒りに震え、視聴者からは「ゾクゾクした」「震えた」「引き込まれた」「圧巻の演技」と草なぎの演技に絶賛の声が寄せられている。

 一方、慶喜が正室・美賀君(川栄李奈)の膝枕で「ほっとしたような、寂しくもあり……」と次期将軍が慶福に決まったことに対する複雑な思いを吐露する一幕も。修羅場を経て、いつの間にかすっかり夫婦らしくなった2人の関係も注目を浴びていた。(編集部・石井百合子)