特別なチューニングが施された特別なモデルも存在!

 クルマ好きから考えれば、値段があがることを見越してクルマを買うというのは邪道と思われるかもしれないが、好きで購入したクルマの価値が上がるというのは悪い気はしないもの。

 とくに現在では90年代スポーツカーは軒並み高騰が続いており、新車価格を超えるどころか4桁万円の価格となっているものも存在するほど。それどころか当時はヒトケタにほど近い価格で取引されていた入門編スポーティモデルですら価格が上昇しているのだ。

 そこで今回は、今後プレミア価格になる可能性もありそうな国産車をいくつかピックアップしてみたい。

1)トヨタGRヤリス

 三菱ランサーエボリューションやスバル・インプレッサSTI及びスバルWRX STIなきいま、トヨタがラリーで勝つことを目標として生み出されたのがGRヤリスだ。

 ヤリスと名前が付けられてはいるものの、前後の灯火類以外はほとんどが専用設計とも言われるほど別モノのGRヤリスは、モータースポーツの世界だけでなく、チューニング業界でも新風を吹かせまくっている。

 特別なモデルでありながら、限定販売ではないGRヤリスではあるが、やはり3ドアしかないことや、MTのみ(RSグレードはCVTが用意されるが)という点で、欲しいけど家庭の事情で購入できないというユーザーも少なくなく、フルノーマルに近い個体に価値が見いだされる日がくるのではないだろうか。

2)日産スカイライン400R

 V37型スカイラインがマイナーチェンジを果たしたタイミングで追加された、日産内製の3リッターV6ツインターボエンジンであるVR30DDTT型。通常モデルでも304馬力となかなかの出力を発生させているが、それをベースにチューニングがなされた「400R」では、405馬力という圧倒的なパワーを発生させている。

 このエンジンは次期フェアレディZにも搭載されると噂されているが、純然たる内燃機関のエンジンが今後長らく生産される可能性は低いため、ハイパワーなツインターボエンジンを搭載したスカイラインは400Rが最後になる可能性もある。そうなれば、より特別なモデルとして価値が上がることもありそうだ。

最終進化モデルとして今後高値が期待できるものも!

3)ホンダS660

 先日、2022年3月をもって生産が終了することがアナウンスされたS660。その一報を受けて駆け込み需要も発生しているようだが、冷静に考えてみてほぼ専用設計のカタマリと言っても過言ではないオープンのミッドシップレイアウト車が今後誕生する可能性は限りなくゼロに近いだろう。

 もし誕生したとしてもそれはNSXのようなスーパースポーツになるだろうから、200万円台でがんばれば手の届くモデルとしてはラストと言っても過言ではないだろう。

 現在、ほとんどが高値安定のホンダスポーツのなかにS660が仲間入りするのもそう遠い未来の話ではない。現に今でも中古車で100万円を切るものは皆無といった状況であるから、絶版車となることでここからさらに上がる可能性も十分考えられるのだ。

4)三菱デリカD:5

 一時期は多くのRV車をラインアップにもち、ディーゼルエンジンを搭載したトルクフルで経済的なモデルも多かった三菱自動車。しかし、今やパジェロも日本では販売されず、主力はPHEVというところで、ディーゼルエンジンのイメージはほとんどないといってもいいだろう。

 そんな三菱で唯一ディーゼルエンジンをラインアップしているのが、オールラウンドミニバンを名乗るデリカD:5だ。過去にはガソリンエンジン仕様もラインアップしていたが、現在は潔くディーゼルエンジンのみ。

 すでにデビューから14年目となる超長寿モデルではあるが、その存在は唯一無二。ロングセラー車だけにタマ数は多いだろうが、2019年2月以降のビッグマイナーチェンジを受けたモデルは、ディーゼルデリカの最終進化系として再評価されることがあるかもしれない。