新型コロナウイルスは終息の兆しを見せず、先の見えない日々が続いている。こんな時代だからこそ「貯金がいくらあっても安心できない」という人は多いだろう。お悩み解決掲示板に3月中旬、「お金貯めても貯めても不安です。 そんな方いますか?」という相談が寄せられた。投稿者は今年結婚する予定という31歳女性だ。

貯金は2800万円ほどあるが、いくら貯めても不安な原因として「親にお金がないこと」を明かしている。両親は、投稿者が子ども頃からお金がらみの喧嘩が絶えず、現在父親は早期退職し、母親はずっと専業主婦だという。

「老後は私たちのめんどうみてなと言われています。2人ともまだ50代ですが働いていません。今は毎月8万仕送りしています」

将来は老人ホームのお金も、ひとりっ子の自分がどうにかしなくてはならないと思い詰め、平日は会社員、土日は別の仕事で働き、休みたくても休めないとこぼしている。(文:okei)

「親を突き放す事も必要です」


働けない事情は人それぞれだが、投稿者は両親に「働いてほしい」とお願いしており、病気で働けないわけではないようだ。年金をもらえる年齢でもなく、経済的に娘におんぶに抱っこでは自分たちの方が苦しいのではなかろうか。だが、親の言動からは「絶対に働きたくない」という決意めいたものが感じられる。

スレッドの回答は「親が甘えすぎ」という意見が相次いだ。

「親があなたに甘え過ぎ。そんなのをあなたが援助だなんて助長させてはいけません」
「子どもを産んだら親に8万の仕送りは無理です。でも親を遊ばせるために子どもを作らないのも変です。(中略)少しでも早いうちに縁を切った方がいいです」

ひとりっ子だからとすべて背負う必要はない。また、お金がないのは自己責任だという声も。「普通の親なら子どもに迷惑をかけたくない」などと怒りを含んだ批判が多く挙がっていた。

投稿者に対しては「このままでは老いて気付けば自分の人生が台無しになっている」「親の為にも、親を突き放す事も必要です」などと仕送りをやめて、両親との絶縁を薦める声が目立った。

いくら貯金があっても安心できないのは、投稿者だけではないかも?

しかし、投稿者は非情になりきれず、「縁を切ったらいいのですが、それも辛くてできなくて」と苦しい胸中を吐露している。ひとりっ子の責任感が強く、過重労働でもお金を稼ぐことがやめられない様子だ。

キャリコネニュースでは先日、「30〜40代の平均貯金額は283万円」などと報じた。投稿者は平均の10倍近く貯金があり、「老後は2000万円必要」などと話題になった額を上回る。少しは安心してもいいはずだが、両親2人分の生活と、自身の老後を考えれば不安になるのも頷ける。今後子どもができれば教育費に対する不安も訪れるだろう。

同記事では、結婚や出産について「年収がどんなに多くてもしたいと思えない」とした人が、前回調査よりも増加傾向にあった。結婚や子どもに興味のない人もいそうだが、"どんなに稼いでも将来が不安で家族を持つ気になれない"という人もいるだろう。将来不安が大きいほど、お金は消費に回らず貯金額は増えるものだ。

スレッドのコメントには、気持ちを落ち着けるために座禅や旅行、また投資などを薦めるアドバイスもあった。確かに、貯金の一部を資産運用に回すのも将来への備えの一つだし、何より投稿者には休息が必要だ。休みを取りつつ、そもそもの原因である親への経済的負担を、このまま負い続けるべきか、落ち着いて考え直した方がいいかもしれない。