YouTubeでは、公開されたコンテンツが著作権を侵害していないかどうかを自動でチェックする機能があり、このチェックに万が一引っかかってしまった場合、クリエイターはさまざまな対応を強いられます。そこでYouTubeが、ムービーを公開する前の段階で、そのムービーが著作権を侵害していないかを確認する「チェック」機能を導入すると発表しました。

New “Checks” Step in the Upload Flow on Desktop - YouTube Community

https://support.google.com/youtube/thread/102365314



YouTube’s new tool will warn creators if they’re using copyrighted content - The Verge

https://www.theverge.com/2021/3/17/22335728/youtube-checks-monetization-copyright-claim-dispute-tool

YouTubeは、ムービーや音声の特徴を識別してアップロードされたムービーを認証する「Content ID」という仕組みを導入しています。

YouTubeにアップロードされたムービーの映像や音声は全てスキャンされ、既存のContent IDと一致した場合、ムービーの公開を止める「ブロック」、ムービーのアナリティクスを全て権利者に公開する「トラック」、ムービーによる収益を権利者に渡す「マネタイズ」のいずれかが適用されます。



ただし、Content IDによる識別はすべて自動で行われるため、アップロードしたムービーがたとえ自分の作品でもなぜか「著作権を侵害している」とみなされ、ムービーの公開に制限がかかってしまうこともあります。その場合はクリエイター側が「異議申し立て」の手続きを踏まなければなりません。

今回追加された「チェック」はムービーのアップロード中にスキャンを行う機能で、アップロードされたムービーが他者の著作権を侵害していないか、著作権者が広告収入を請求できるかどうか、広告ガイドラインに抵触していないかどうかを「ムービーの公開前」に審査します。

公開前のチェックは通常3分以内で終わり、収益化チェックには追加で数分かかるとのこと。ムービーを公開する前から公開設定変更や異議申し立てができるので、ムービーをアップロードしてから数日後に突然ムービーが一部地域でブロックされたり、著作権侵害で警告を受けてしまったりという事例が減ることが期待されます。



YouTubeは「今回追加されたチェック機能は、著作権侵害の異議申し立てやContent IDのスキャンに引っかかるムービーの数を最小減に抑え、クリエイターの驚きや心配を避けるのに役立ちます」とコメントしました。