左からアイリスオーヤマ「カラリエ ハイパワーツインノズル(KFK-401)」、パナソニック「スチーム吸入器(EW-KA65)」、ブルーエア「Protect 7470i」(筆者撮影)

日本気象協会によると、2月上旬には九州から関東で広く花粉の飛散が確認されたという。昨年と比較すると花粉飛散量は多いとのことで、すでに症状に苦しんでいる方も多いのではないだろうか。

この時期になると、花粉症対策として注目されるのは空気清浄機だ。もちろん空気清浄機の効果は抜群だが、花粉の時期にぜひ使っていただきたい家電がほかにもある。ひどい花粉症で毎年苦しんでいる患者として、また家電のプロとして、効果を実感した花粉対策家電を3製品ご紹介する。

空気清浄機は床面積の3〜4倍が目安

花粉症対策の家電でいちばん候補に挙がるのが空気清浄機。外から花粉が入り込んでも、部屋で効果的に空気清浄機を使えば花粉のつらさを抑えることができる。花粉対策で空気清浄機を選ぶのであれば、重要なのは吸い込むスピードだ。

花粉の中でも代表的なスギ花粉のサイズは20〜30マイクロメートル、ちまたで言われるPM2.5は2.5マイクロメートル以下の微粒子。花粉は大きく重いので、30〜40分といった短い時間で床に落下することが特徴だ。いったん床に落ちてしまった花粉は空気清浄機で吸い込むことができないので、花粉対策として使用する空気清浄機は清浄スピードを重視したい。

注目したいのは「適用床面積」だ。空気清浄機のスペックにあるので見ていただきたいのだが、これは日本電機工業会が定める「30分で空気を清浄できる部屋の大きさ」を表している。一般の家庭では人が動いて床に落ちた花粉が舞ったり、窓や扉の開け閉めをして花粉が外部から入ってきたり、空気はつねに汚れるので、花粉対策として使うのであれば部屋の広さに対して3〜4倍の適用床面積の製品を選びたい。筆者もこれまで多数の空気清浄機を試してきたが、2倍程度まででは効き目が薄く、効果が実感しにくかった。

ただ、パワフルになればなるほど空気清浄機は本体サイズが大きくなる。置き場所の問題などもあるので設置面積が狭く、スリムなタイプがおすすめだ。

ブルーエア「Protect 7470i」は縦長の本体で、デザインもすっきり。適用床面積は67平方メートル(40畳)までなので、実際は10〜13畳程度の部屋で使用すると花粉症対策として効果を実感できる。ブルーエアはスウェーデンの空気清浄機専業メーカーで、同社の空気清浄機はすべて浮遊物を除去する高性能フィルターとハイスピード清浄機能が特徴。風が通りやすい構造で、フィルターが内部にぎっしり詰まっている。イオンの放出などに頼らず、浮遊物を高性能フィルターにしっかり吸着させるシンプルな空気清浄機だ。

天面にはホコリ(PM)やニオイ(VOC)、空気質指数(AQI)のほか、 温度湿度やフィルター使用率など、さまざまな情報が表示される。専用の無料アプリでも操作できるので、外出先からのオン・オフなども可能。また、空気の状態もアプリで可視化されているので、空気の状況をつねに確認できる。


フィルターは分厚く、二重になっている。0.03マイクロメートルというウイルスレベルの超微粒子まで99%以上除去。RFIDチップを通じてフィルターの使用率を記憶し、独自のアルゴリズムによってフィルターの使用状況を分析し、交換時期を教えてくれる(筆者撮影)

実際に借りて1週間ほど試してみた。今年も花粉が飛び始めてクシャミが止まらなかったのだが、この空気清浄機を稼働させるようになってから、部屋にいるときはずいぶんラクになった。センサーも優秀で、少しでも窓を開けると花粉や汚れに反応して自動で風量が強くなる。一般的な空気清浄機のようにプレフィルターの掃除をする必要がなく、お手入れはとても簡単で、空気清浄機としてはとても優秀だ。

いざ導入しようと思ったときに気になるのが、本体価格とランニングコストが高額であること。本体は実勢価格で12万4080円。使い方にもよるが、専用フィルターは半年から1年で交換しなければならず、1回1万6500円かかる。価格面を除けばとても魅力的な製品だったので、個人的には導入を検討中だ。

隅々まで布団を乾燥できる「布団乾燥機」

花粉が飛散する時期におすすめの家電は布団乾燥機だ。ここ数年、布団乾燥機の売り上げは好調で、ホースを直接布団に入れて乾かすマットなしのタイプが人気となっている。以前はマットを空気で膨らまして敷き布団と掛け布団の間に挟んで使用するマットタイプが多く、手間がかかったが、ホースを入れるだけなので準備も後片付けも短時間で終わる。

布団乾燥機はアイリスオーヤマの製品が人気で、同社家電部門の中でもトップクラスの売り上げを誇っている。とくにおすすめなのはパワフルな「カラリエ ハイパワーツインノズル(KFK-401)」(実勢価格2万2000円)だ。一般的な布団乾燥機は消費電力が500〜700W程度だが、最大1000Wとパワフルで、あっという間に布団がホカホカになる。

ホースは2本で蛇腹状になっており、シングルの布団であれば1本を短く、1本を長くしておけば熱を隅々まで届けることができる。約80センチのロングホースでベッドにも対応しており、ベッドの下に置いて使用することも可能だ。


ノズルが長いので、隅々まで熱風が届く。ホースを縮めて本体に格納できるのは便利(筆者撮影)

実際に温度を計測してみたところ、シングルの布団では、掛け布団のいちばん端でも50℃以上をキープしていた。ダニ撃退布団乾燥袋も付属しており、布団を中に入れて1回約80分運転すると布団の裏表、隅々まで50℃以上になる。ダニは50℃以上、20〜30分で死滅するので、効果が期待できる。なお、ダニの死骸はアレルギーの原因となるので、乾燥後はしっかり掃除機などで布団の裏表を吸い取ってほしい。

本体は約2.1キロとコンパクトなので持ち歩きがラクで収納場所をとらない。ツインノズルなので、2組の布団を同時に乾燥できるのも便利だ。ただ、音はかなり大きく、同じ部屋で同製品を使用するとストレスに。誰もいない場所、時間帯での使用がベストだ。

鼻のムズムズには「スチーム吸入器」

鼻がムズムズし、クシャミやせきが止まらなくなってきたら、パナソニックの「スチーム吸引器(EW-KA65)」(実勢価格1万4000円)があると便利だ。同製品で吸引すると鼻やラクになる。ふつうのうがいでは難しい、喉の奥や鼻の奥の粘膜まで潤すことができるので、花粉や異物などを洗い流して不快感を改善できる。


鼻と口を覆うようにして吸引。終了後は驚くほどスッキリ(写真:パナソニック)

スチームの時間は通電後約60秒後から約6分間(スチーム量「多い」)・約70秒後から約8分間(スチーム量「少ない」)。勢いよく蒸気を噴霧し、約43℃のミストが冷めることなく吸い込むだけで口元・鼻元までたっぷり届き、喉や鼻が潤う。

モードは3種類で「のどイガイガモード」「はなムズムズモード」「はなづまりモード」から選ぶことができる。「のどイガイガモード」は、喉の奥まで届く大きめのスチーム(約7〜18マイクロメートル)で、「はなムズムズモード」は鼻全体に吸着する細かいスチーム(約5〜14マイクロメートル)、「はなづまりモード」はさらに細かいスチームで鼻の奥まで潤すことができるスチーム(約4〜11マイクロメートル)となっている。個人的には「はなづまりモード」の細かいスチームが気持ちよく、よく使っている。花粉の時期は鼻のまわりまでピリピリと痛くなるが、スチーム吸引終了後にクリームを塗っておくと乾燥状態も抑えられる。

ただ、吸引ノズルの角度が変えられず、高さの調整が難しい。6〜8分の間、同じ姿勢をキープしなければならないので、ラクな姿勢でできる高さを見つけるのが大変だ。吸引ノズルは蛇腹状にするなど、角度を変えられるような構造だと便利なのだが、固定でしか使用できない。

また、水はボイラーと給排水カップの2カ所に入れなければならない。使用後もお手入れしなければならないパーツが多いので毎回時間がかかる。スチームは心地よく快適で、特に花粉の時期は毎日のように使いたい家電だが、お手入れ面などは改善していただきたい。

以上、今回は花粉の季節に役立つ、おすすめの3製品を紹介した。上手に取り入れて、花粉のツライ季節を乗り越えてほしい。