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ロードスターをドナーに自分で組み立てる

text:Matt Prior(マット・プライヤー) translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
MKモータースポーツ社は、ドイツの小規模な自動車メーカー。前回は同じMKインディにバイク界のモンスター、スズキ・ハヤブサ用の4気筒エンジンを搭載したモデルをご紹介した。

そちらは車重480kgで、最高出力は202ps。レブリミットは1万500rpmで、トランスミッションは6速シーケンシャル・マニュアルだった。見た目はケーターハム・セブンに似ているが、MKなりの面白いアイデアを備えたクルマだったといえる。

MKインディ RX-5(英国仕様)

では、MKモータースポーツ社が用意するセルフビルド・キット状態のインディはどうだろう。英国での価格は、8533ポンド(122万円)と手頃。ドライブトレインの提供もととなるのは、2代目マツダMX-5、中古のロードスターとなる。

欧州でも、比較的メカニズムの状態が良いロードスターが、かなり安価に手に入ることが多い。オーナーが組み立てに要する想定時間は、およそ250時間。とても軽量な2シーター・スポーツが、1万ポンド(144万円)程度で手に入る計算になる。

MKモータースポーツ社に連絡すれば、英国なら1万8995ポンド(273万円)から組み立て済みのインディ RX-5を購入することもできる。しかし、このクルマの本来のアイデアは、ドライバー自らが組み立てるという趣味性に重きがおかれている。

お金に余裕がある人というより、時間に余裕がある人向けのクルマといえる。屋根付きのガレージも必要だろう。

ターボを追加し220psで車重600kg

もちろん、今回の試乗車はMKモータースポーツ社の技術者が組み立てたもの。筆者が工具を握ったわけではない。

中古のエンジンには、ターボもアドオンされている。ターボ付きキットの価格は1万2995ポンド(187万円)へ高くなる。そのかわり、マツダ製の1.8L 4気筒エンジンからは220psを搾り取ることができる。MKインディ RX-5(英国仕様)

ターボが付くと車重が増えるが、それでも約600kg。ノンターボなら30kg軽い。220psに600kgだから、かなり速いことは想像に難くない。しかも、相当に楽しい。

ボディまわりもインテリアの設えも、見た目はベーシックなもの。しかし、メカニズム関係はとてもきれいに整っている。それで構わないと思う。

現代的なデジタルメーターが備わり、バケットシートは前後にスライドできる。ステアリングコラムの位置調整はできないものの、ドライビングポジションは悪くない。

ボンネットの中央にはパワーバルジがあり、反対側のフロントタイヤを見られるのは、身長の高いドライバーのみ。それでも、狙った通りのラインにインディを導くことは難しい作業ではない。

前回試乗したスズキ・ハヤブサのエンジンを搭載したインディは、足まわりがフォード由来だった。このインディ RX-5は2代目ロードスターがベースだから、リアのトレッドも若干狭い。

軽快なスポーツカーの魅力的なパッケージ

コンパクトなおかげで極めて軽快で、これまで運転したMKのモデルと同様に、まとまりがいい。ステアリングのロックトゥロックは2回転。ダイレクトながら神経質なことはなく、動きは滑らかで手のひらに伝わる感触は豊か。

姿勢制御も乗り心地の落ち着きも素晴らしく、操縦性のバランスも見事。滑りやすいコンディションでも、挙動を判断しやすかった。MKインディ RX-5(英国仕様)

MKモータースポーツ社によれば、欧州では2代目ロードスターの中古車を安価に購入できるため、残った部品を売ればかなりの金額を回収できるという。確かにボディパネルなどは、一式必要ない。

自分で組み立てれば、ターボ付きのインディ RX-5を英国なら1万5000ポンド(216万円)程度で乗り出すことができる。軽快なスポーツカーを自分で組み立てるという、ほかにはない楽しさも付いてくる。

セルフビルド・キットのMKインディ。なんと魅力の詰まったパッケージなのだろうか。

MKインディ RX-5(英国仕様)のスペック

価格:1万5000ポンド前後(216万円/セルフビルドの場合)
全長:−
全幅:−
全高:−
最高速度:201km/h(予想)
0-100km/h加速:4.5秒(予想)
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:600kg
パワートレイン:直列4気筒1840ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:220ps
最大トルク:30.3kg-m
ギアボックス:5速マニュアル