知らないと恥をかく敬語の使い方|「お会いできてうれしいです」は正しい!?
堅実女子の皆さんは、日々オフィスやいろんな場所で敬語を使うことがありますよね。
意外と間違った使い方をしていたり……この表現は正しいと思いますか?
念願かなって会えた相手に「お会いできてうれしいです」
メールでしかやり取りしていなかった取引先のかたとついに会うことができたあなた。「お会いできてうれしいです」と伝えたのだけれど……。
<こたえと解説>
「お会いできてうれしいです」という言い方はNGです。
「うれしいです」という言い方が、まず違います。「うれしい」は形容詞なので、「だ」の丁寧語である「です」をつけるのは正しくありません。「うれしいだ」としてみると間違いに気づくでしょう。
「うれしゅうございます」といってもよいのですが、これはビジネスの場での言葉としてはふさわしくありません。また、「うれしく思います」という言葉もよく耳にしますが、これでは少し硬すぎるかもしれません。
そこでここでは、
お目にかかれて光栄です。
としましょう。
「光栄です」はビジネスの場などで、感謝や喜びを表す際によく使う表現です。
「会う」を尊敬語の「お目にかかる」に変えるのもポイントです。「お目にかかる」はなかなかすぐには出てこない表現だと思う人もいるかもしれません。覚えておくとよいでしょう。「お会いできて」よりも「お目にかかれて」のほうが、さらに尊敬の念が伝わります。
来客を迎えたものの、まだメンバーがそろいません。そこであなたは
「まもなく部長もいらっしゃいます」
と伝えました。
この言い方もNGです。
あなたにとって部長は上司なので普段は「いらっしゃる」と敬語でよいのですが、お客様は外の人であり、ここで部長に対しての敬語を使うのは間違いです。
「まもなく部長もまいります」
と謙譲語の「まいる」を使いましょう。
また、「もうすぐ」ではなく、「まもなく」「ただいま」と丁寧な表現に言い換えることも忘れないようにしましょう。
いつもは使わない言葉に慣れることも大切。
☆ ☆ ☆
〜会話例〜
あなた:宇満社の須宇津でございます。お目に書かれて光栄です。
来客:こちらこそ。いつもメールでの丁寧にご対応くださり、ありがとうございます。
あなた:とんでもないことでございます。まもなく部長もまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか。
来客:承知しました。
あなた:○○のサンプルが出来上がっておりますので、ご覧になりますか。
来客:そうですね、拝見できますか。
あなた:かしこまりました。
☆ ☆ ☆
「見る」の尊敬語は「ご覧になる」、謙譲語は「拝見する」です。会話例では双方とも上手に使いこなすことができていました。「拝見」がぱっと見では難しそうに感じる言葉のせいか、「拝見なさいますか」と言ってしまうケースも多いようですが、これでは敬語になっていません。へりくだりつつ、尊敬もしているという間違い敬語の悲惨な形なので、こうしたことがないように気をつけなくてはなりません。
新型コロナウイルス感染拡大の影響から、メールのやり取りだけですべてが完結したり、会えても画面越しだったりする場合が増えてきました。だからこそ、一度でも会えるのは貴重な機会。そこでよい印象を残せるよう、仕事の内容もさながら敬語の使い方にも注意したいものです。
また、ずっと文字だけのやり取りをしていた人とオンラインで会話をする際も同様です。実際に対面する際と言葉は変わりません。今のような時期だからこそ顔を合わせることができてうれしいという気持ちを、しっかり敬語に込めましょう。
文/近藤とも