ロッテ・藤原恭大

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◆ 岡がバットで存在感

 荻野貴司、マーティン、角中勝也、福田秀平、加藤翔平、菅野剛士、高部瑛斗、和田康士朗、藤原恭大…。さらには昨年11月のフェニックスリーグから一塁に本格挑戦中の山口航輝は、ここまでの対外試合で外野手としての出場はないが、外野手登録だ。名前を挙げただけでも、ロッテの外野陣の層が厚いことがわかる。

 主力選手が合流していないこの時期、若手、中堅選手にとってはアピールする絶好の機会だ。そのなかで岡はここまで対外試合9試合に出場して、打率.450(20−9)、3本塁打、8打点、2盗塁と、抜群の存在感を示す。

 対外試合初戦となった2月13日の楽天戦に代打で途中出場し、左中間を破る3点適時三塁打を放つと、守備から途中出場した16日の広島戦では左中間スタンドへ2ラン。最初の4試合は途中出場からだったが、21日のDeNA戦で『5番・レフト』ではじめて先発出場すると2安打2盗塁、『6番・DH』で出場した23日のオリックス戦で猛打賞、24日のソフトバンク戦でも第1打席に本塁打を放った。

 27日の西武戦では『2番・レフト』で出場し、第1打席にライトへ豪快な一発。得点圏に走者を置いた5回の第3打席では、きっちりとセンターへ犠牲フライを放ち、状況に応じた打撃を見せた。

 昨季も対外試合9試合を終えた時点で、打率.381(21−8)、1本塁打、5打点とアピールすれば、主力が合流した3月以降のオープン戦でも限られた打席の中で結果を残し、打率.455(11−5)、2打点の活躍を見せた。昨季は3月の開幕が新型コロナウイルス感染拡大の影響で6月に遅れるという不運もあったが、今季こそ好調を維持したままで開幕を迎えたいところだ。

▼ 岡大海の対外試合の打撃成績

9試 率.450(20−9)本3 点8 四0 盗2

◆ 藤原は1番として存在感

 レギュラーを狙う高卒3年目の藤原は、ここまで対外試合9試合すべてで1番で出場し、打率.250(28−7)、1本塁打、3打点、1盗塁。数字に派手さはないが、7個の四球を選ぶなどしっかりとボール球を見極められており、9試合中8試合で出塁している。

 27日の西武戦では、初回の第1打席に先発・浜屋将太が投じた初球をフルスイングし先頭打者本塁打。3回の第2打席は四球を選び、一死後、3番・福田秀平の初球に二盗を決めた。福田秀が右中間後方に放ったフライで、二塁から三塁へタッチアップし、一気に本塁を狙う姿勢を見せた。

 積極的な走塁でいえば、18日の楽天戦で、0−0の3回二死一塁から藤岡のセンター前ヒットで、センター・辰己が後逸するのをみて一気に三塁を蹴ってホームイン。24日のソフトバンク戦でも、0−0の初回無死一塁から2番・菅野のレフト線のあたりで俊足を飛ばして、一塁から生還した。1つ先の塁を狙った走塁が光る。

 守備でも21日のDeNA戦で、田中俊太が放ったセンター後方の打球に腕をめいっぱいに伸ばし、飛びつきながらキャッチを見せた。

 ただ、安打で出塁した16日の広島戦で牽制アウト、25日のソフトバンク戦の第2打席では3ボールから1度もバットを振らずに見逃し三振と“らしくない”プレーもあった。それでも、失敗を次に活かして、27日の西武戦では先頭打者本塁打を放つあたりはさすがだ。

 岡、藤原だけでなく、『3番・ライト』で出場した福田秀も27日の西武戦で2安打。レギュラーを目指す選手たちがアピールをすればするほど、それだけマリーンズの外野の競争のレベルが高くなる。井口監督が誰を起用するか頭を悩ますくらいの存在感を見せ続けて欲しいところだ。

▼ 藤原恭大の対外試合の打撃成績

9試 率.250(28−7)本1 点3 四7 盗1

文=岩下雄太