デキる営業はほかの人と何が違うのか(写真:アン・デオール/PIXTA)

コロナ禍の今、多くの営業マンが目標未達であえいでいるが、中には成果を出し続けている人もいる。いったい彼らは何が違うのだろうか。リクルートの元トップ営業マンで、現在は営業研修の人気講師として活躍する伊庭正康氏は、最新刊『できる営業は、「これ」しかやらない』で、そんなトップセールスのさまざまな習慣を解説している。ここでは、特に重要な「2つの習慣」を紹介してもらった。

「アフターフォロー」で差がつく

1つ目の質問です。

「『契約までの売るプロセス』と『契約後のフォロー』、どちらのほうが、お客様に対する熱量が高いですか?」

私の研修でいつも聞く質問ですが、毎度のこと会場からどよめきが起こります。ほぼすべての営業は、契約までの熱量のほうが高いからです。でも、売れ続ける営業マンは、そうではありません。むしろ、「アフターフォロー」で他の営業と圧倒的な差を見せます。

お客様にとっては購入後が「本番」。トラブルや疑問点があれば、すぐにでも解消したいもの。そこで、「何かあったら、いつでも電話をくださいね」と言っていた、”あの時”の営業マンに連絡をするわけです。

でも、ほとんどの営業は、”あの時”ほどの熱量では頑張ってはくれません。少し対応が遅かったり、対処法のURLだけ送られてくるといったことも少なくないのです。そうすると、お客様は期待を裏切られたと感じてしまいます。ひどい場合には「騙された」と感じることすらあるでしょう。当然、リピートも紹介ももらえません。

もし、最近、「リピートが少ないな、紹介が少ないな」と思ったら、疑うべきは景気や商況ではありません。まず、あなたへの「事前期待とのギャップ」を疑ってください。

皆さんには、事前期待とのギャップをなくすだけでなく、事前期待を超えてほしいと思っています。そこで、「エモーショナルコネクション(感情的なつながり)」を計画的につくれるようにしておきましょう。

エモーショナルコネクションとは、「契約」などでつながる関係性ではなく、お互いが「喜び」「感謝」といったポジティブな感情でつながる関係性のこと。営業では「なんでわかったの? まさに今、困っていたところだったんだよ」とお客様が驚く、そんな察知力を営業が持つことを意味します。

そのための良い方法があります。それこそが、「タイミングを科学する」方法。私が研修で紹介し、好評を得ている方法です。

求人広告の営業の場合

例えば、私が経験した求人広告の営業だと、こんな感じ。転職した人、受け入れた会社の双方が抱く「不(不安、不便、不満)」をタイミングごとに想定し、先回りをした行動をルーティンに組み込むようにします。

まず、転職の場合、不安のピークは入社から1カ月とわかっています。これは、転職サイトのdodaの調査でも証明されており、「最初の1カ月は転職者の実に約9割(86・8%)が不安を抱えている」といったデータもあるくらいです。

さらには、転職者が不安を抱くポイントもほぼ決まっています。「人間関係」「業務」「職場」の3つです。ここまでわかっていれば、あとは、「いつ」「何を」するかを決めればOK。私が実際にやっていたのは、こんなことです。

,泙此入社前に、人事担当者に「初日の受け入れ」の成功事例を紹介し、
入社1週間後に、人事担当者に「条件に誤解はなかったか」を確認し、
F社1か月後に、「職場になじめているか」を中心に確認をし、
て社2か月後に、「仕事についていけているか」を中心に確認をし、
テ社3か月後には、「人間関係はうまくいっているか」を中心に確認をする。

うまくいっていれば一緒に喜び、問題があれば一緒に解決する。また、うまくいっているようなら、その都度ご紹介もお願いする。一見すると手間がかかっているように見えますが、手間は通常の営業と一緒。日々、行っている営業行為でもあるわけです。実にシンプルでしたが、効果は絶大でした。ほとんどの他社の営業マンは、そんなことはやっていなかったからです。

「いつ」「何を」行うのか、タイミングごとにやることを決めておくことをお勧めします。何事もそうですが、「言われてから」より「言われる前に」することが評価を高めるカギ。すべてのお客様にとって「いいタイミングで来てくれる営業」になれるのは、思いつきではなく、「いつ」「何を」するかをスケジュールに落とし込んでいるからなのです。

2つ目の質問です。

「(お客様からきたメールに対して)あなたは何分以内に返信をしていますか?」

トップセールスの方々と仕事をすると驚くことがあります。メールのレスポンスが、自動返信メールではないか、と思うくらいに速いのです。だいたい、数分から、長くても90分以内。最近は、メールだけでなく、ショートメールやSNSでやりとりをしている営業マンも増えてきました。それでも共通するのは、クイックレスポンス。

この迅速さは、顧客の立場になると、思った以上に嬉しいもの。問い合わせをした際に、クイックレスポンスで、メールが返ってくると、迷子になった場所で地図を見つけたかのごとく、気分がラクになるからです。

逆に、返信を待っているときほど、ヤキモキすることはないでしょう。そのヤキモキが続くと、営業マンに非があるわけではないのですが、その状態にストレスを感じますので、営業マンに対する信頼に傷がつく恐れがあるのです。

返信は「丁寧さ」より「速さ」にこだわる

でも、営業は商談に入っていたり、移動中であることが多く、すぐにレスポンスを返せないことは少なくありません。そのため、「落ち着いてから返信をすればいいか」と思う人が少なくないのですが、そこがトップセールスとの分かれ目となります。


営業マンによっては、このやりとりだけでも、2〜3時間、場合によっては翌日になる人もいるでしょう。この差は、顧客の立場で見ると、大きな差となるのです。

加えて、営業マンが知っておきたい技を紹介しましょう。スマートフォンの音声入力機能を活用する方法です(特にiPhoneは精度が高い)。スマホのキーボードにあるマイクマークを押し、ひたすらしゃべり続けるだけ。ほとんど誤変換もありません。

また、この機能を使うと、お客様が席を外された瞬間、移動中の横断歩道の待ち時間といったほんの数十秒のスキマ時間でも、メール返信ができるようなります。

実は、私自身もこれを多用しています。この音声入力は、革命的に仕事のスピードを高めてくれることを実感しています。まさに、この文章も、スマートフォンの音声入力で下書きをしました。その後、推敲を重ね、文章を仕上げていくのですが、下書きができているので、驚くほどの速さになります。

音声入力のやり方は、拙著『できる営業は、「これ」しからやない』で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。意外と多くの「記号」を音声で入力できるものですよ(例:「¥=えんまーく」「 瓩泙襪い繊廖法B針擦扮超肇泪鵑曚匹爾勸貪抻箸辰討澆討ださい。その速さにきっと驚くはずです。