不振から脱せていないリバプールには、識者からも厳しい言葉が飛んでいる。 (C) Getty Images

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 98年ぶりとなる“歴史的失態”を演じたリバプールへの風当たりが強まっている。

 現地時間2月20日に開催されたプレミアリーグで、本拠地に宿敵エバートンを迎えたリバプールは0-2で敗れた。レッズが“要塞”としてきたアンフィールドでのマージーサイド・ダービーで敗れるのは、1999年9月以来、21世紀に入ってからは初の出来事で、今年1月のバーンリー戦から続くリーグ戦でのホーム4連敗も1923年以来の記録である。

 決め手を欠いて屈辱的な黒星を喫したリバプール。試合後にユルゲン・クロップ監督は「この負けがどれほど重大かは心の底から分かっている」と苦虫をかみ潰したように、“隣人”に打ちのめされた彼らの精神的ダメージは計り知れない。

 あくまでクロップ監督は「良いフットボールをする時間もたくさんある」と強調しているが、首位マンチェスター・シティとは勝点19差を付けられ、来シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権獲得圏内の4位ウェストハムとも5ポイント差となっている現状は、リバプールにとって間違いなく理想的ではない。

 それだけに周囲からは改善を求める声が強まっている。英衛星放送『Sky Sports』で解説を務めている元マンチェスター・ユナイテッドのガリー・ネビルは「違うアプローチをしていく必要がある」と“王者”へ自身の見解を口にした。

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「多くの怪我人を抱えていること、スタジアムにファンがいないこと、新型コロナウイルスのせいで過密日程が続いていること、それらがリバプールに影響しているのは間違いない。だが、それはどのクラブも一緒だ。彼らには変化が欠如している。毎試合、同じように打ちのめされ、同じように走っている。まるでゾンビのようにね。クロップは違う何かをトライしなければいけないだろう」

 さらに「3バックやCBをもっとボックス内でプレーさせるか。色々なプランが考えられる」と語ったネビルは、「不安は増している」と続けた。

「クロップとチームには劇的な変化をもたらすための新しいアイデアがいる。じゃないと、チャンピオンズ・リーグの出場すらもできなくなり、本当に憂鬱なままシーズンを終えることになるだろう。もしかすると、移籍市場が開き、全てがリセットされる可能性がある夏までは何もないかもしれないが……」

 往年の名手から厳しい意見を頂戴したリバプール。彼らはネビルの指摘する「新しいアイデア」を見出し、苦境を打破できるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部