新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言の1か月延長が決まった。テレワークを導入する企業が増えているが、「自宅だと仕事がしづらい」「中々集中ができない」という人もいるだろう。

東京都は「テレワーク緊急強化月」にあわせ、多摩地区の対象ホテルをサテライトオフィスとして提供している。一日500円という非常にリーズブルな価格で利用できる。キャリコネニュースも試してみた。

無料Wi-Fi完備!でも使用は勤務先のテレワーク規定を確認して

利用時間は原則9〜19時で、企業などで働いている都内在住者、または在勤者(個人事業主含む)が対象だ。現在、多摩センターや立川、八王子などにある5つのホテルが部屋を提供しており今回は、JR横浜線・小田急線町田駅から徒歩5分の「ホテルリソル町田」を利用した。

ホテルサイト上からプランを選択し、申し込みをする。ここまでは通常の宿泊施設予約と同じだ。利用当日は、利用同意書と都内在勤・在住を確認できるものを持参してチェックインする。同意書を現物の書類で用意するのが難しい場合は、上長に書類を写真撮影して送ってもらい、フロントにはその画像をスマホ画面で提示してもOKだ。

チェックインしたのは10時前と少し遅めだったが、筆者同様テレワーク利用と見られる人も複数みられた。料金は先払のためここで支払いを済ませる。

筆者の利用したのは8階、ビジネスホテルの1室といった部屋で、喫煙可能だった。カーテンと遮光扉を開けると日差しが差し込む。窓の外にはJR横浜線の線路や団地、山などが広がる。ホテルに朝チェックインするのは新鮮だ。自宅から外の景色は見えないので心地が良い。

業務を開始する。デスクには作業スペースがあるものの、目の前が鏡のため集中できない。湯沸かしポットやお茶用品を移動させ、デスクの端にパソコンを置いて作業した。

無料Wi-Fiもあるが、勤め先の規定を確認してから利用したほうがいいだろう。筆者の場合は、サテライトオフィス使用時には会社のモバイルWi-Fiやスマホのテザリングで接続しなければならない。今回は貸与されているモバイルWi-Fiを持参した。

仕事中に気づいたことは、生活音がしないことだ。自宅だと自分の冷蔵庫や上の住人の生活音だけでなく、低層階なので道路を車が通る音などが常時聴こえてくる。この部屋はそういった音がしないのだ。おかげで比較的仕事に集中できた。逆に、普段はノイズにまみれて仕事をしているのだなと思った。

また、WEB会議をする際、自室が映るのが嫌なのだが(背景設定もうまく使用できないため)、ホテルだとそう思うこともなく精神衛生的によかった。ホテルの1室というと狭いイメージがあるが、広すぎないがゆえにパソコンや湯沸かしケトルなどが手に届く距離にあってテレワークには使いやすかった。

テレワークで延びがちの労働時間 「19時までなんでお先!」ができる

昼は隣接しているレストラン「獅子丸」で食べた。九州系で、「ねぎちゃんぽん」(680円)や「とり天定食」(780円)、「博多鉄板餃子定食」(880円)、「チキン南蛮定食」(980円)、「もつ鍋定食」(1080円)、「馬刺し定食」(1280円)などメニューも色々ある。

駅まで約5分なのでランチの選択肢は多いだろう。冷蔵庫完備で、別フロアに電子レンジもあるので事前に購入しておいてもいい。ランチを終えるとベッドで一眠りした。通常のコワーキングスペースなどではこういうことは出来ないのでありがたい。

仕事は何の障りもなく進めることができた。窓からきれいな夕焼けも見ることができて満足だ。しかし、利用可能時間は原則19時までなので、ダラダラと仕事をするわけにはいかない。

テレワークのせいで勤務時間が伸びている人も多いだろう。時間制限付きのサテライトオフィスを使うと「利用時間が19時までなんでお先に!」ができる。こういう日もあっていいのではないだろうか。

筆者は昨年2月からテレワークを開始しており、平日は週2回スーパーなどに行くときくらいしか外出しない。プライベートと仕事時間の垣根がなくなりつつあるため、サテライトオフィスとしてホテルを活用することは気分転換になった。

なにより1日利用して500円とコストパフォーマンもいい。「この日は集中して作業をしたい」「気分を変えて働きたい」という人は近くの対象施設を利用してみてはどうだろう。

利用可能な宿泊施設は、2月18日までがR&Bホテル八王子、東横INN立川駅北口、HOTEL松本屋1725、ホテルリソル町田、京王プラザホテル多摩、2月19日〜3月20日までが京王プラザホテル八王子、ホテルエミシア東京立川、マロウドイン東京、東横INN町田駅小田急線東口、LINK FORESTで実施。1施設あたり1日20室。結構予約が埋まっているので、気になったら早めにチェックするといいだろう。