【画像】『With You』ジャケ写

アニソン界を代表する男性ユニット、GRANRODEOのボーカル・KISHOWとSCREEN modeのボーカル・勇-YOU-がSCREEN modeの最新フルアルバム『With You』で夢のデュエットを果たした。プライベートでも長年交流があり、歌唱力の高さに定評のあるふたりが歌ったのは、SCREEN modeらしい疾走感と力強さが迫るデジタルロックチューン「ALIVE」。対談をするのはこれが初めてという二人に、「ALIVE」のレコーディングエピソードから出会いの頃の思い出まで、たっぷり語ってもらった。

――『With You』に参加されることになったゲストボーカリスト、KISHOWさんと畠中祐さんには、勇-YOU-さんが昨年、直接参加のオファーを伝えたと伺ってます。畠中さんには、同じ番組の現場で打診されたそうなんですが、KISHOWさんには?

勇-YOU- 去年、KISHOWくんと一緒に食事をする機会があって。今度作るアルバムが、みんなで力を合わせて頑張っていこうというコンセプトなんだけど、もしよかったら一緒に歌ってくれませんか?と言ったら、快諾してくれたんですよ。

KISHOW いや〜、それがねぇ。お酒が多少入ってたこともあるのかな?……ぜんっぜん覚えてないんだよ(笑)。

勇-YOU- えーーー! 覚えてないんかい!(笑)

KISHOW いやもちろんね、快諾したんですよ。詳しいことは思い出せないんだけど、快諾したはずなんですよ、だってスクモさんがやるんだったら、そりゃあ協力したいもの。昔から、勇-YOU-の歌が達者なことも音楽的な感覚がすごいことも重々知ってたし、一緒に歌えるなら歌いたい。大切な自分たちのアルバムに、参加してほしいとわざわざ声を掛けてくれたことも、うれしかったですしね。

――GRANRODEOのボーカリスト・KISHOWさんとして、他のアーティストのオリジナル楽曲、しかもライブではなく音源でコラボレーションすること自体がレアですよね。

KISHOW たしかに。こういう形は初めてじゃないかな。

勇-YOU- マジっすか。それは知らなかった。うわぁ、貴重ですね、ありがたい。

――SCREEN mode、GRANRODEOを背負って、こうしてお二人で対談をしていただくのも初ですしね。そもそもお二人はお互いのボーカリストとしての活動を、どうご覧になっているのかも気になります。

KISHOW 彼はもともと子役上がりだから芸能の素養があるし、鍵盤を弾きながら歌を歌ったりしてたというのも同じ事務所の一員として知ってはいたけど、直接、音楽的素養の高さを目の当たりにしたのは、僕がGRANRODEOを始めたくらいかな。

――15年程前ですね。

KISHOW そう、彼がまだ20歳くらいだね。当時、うちの事務所で「賢プロおもちゃ箱」というイベントをやっていたんですね。そこに歌のコーナーがあって、勝杏里と僕と勇-YOU-ちゃんで福耳の「惑星タイマー」をカバーしたんですよ。勝杏里もかなり音楽的素養の高い人なんだけど、その3人で歌ったら、「おおっ!」という感動があってね。初めて生で一緒に歌った(勇-YOU-を指さして)この子は、すごいなって。いずれ、歌の仕事ができるといいねって思ってましたね。だから、SCREEN modeを始めると聞いたときは、やっぱりなと。

勇-YOU- えっ……嬉しい! いや懐かしいですよね「おもちゃ箱」。それで僕も今思い出しましたけど、たしかにKISHOWくんと初めて何かを一緒にやったというのが、あのイベントで。楽屋で、B’zをアカペラで歌ってたのがすごく印象に残ってますね。

KISHOW え〜? 嘘、ほんとに? そういうタイプじゃないんだけどな。

勇-YOU- サビをちょっとだけでしたけど、めちゃめちゃハイトーンな方。めちゃくちゃ上手いな! すごい先輩いるんだなと思っていたら、GRANRODEOというユニットで活躍されてると後で改めて知って。僕も歌でデビューする前から、ちょいちょいライブを観に行かせていただいてました。

KISHOW そうだった。GRANRODEOを始めた当初、ツアーとか観に来てくれたんだけど、ちょっと恨めしそうな顔してるのよ。「俺だって出来んだよ! いつかは俺も!」みたいな顔してたよね(笑)。

勇-YOU- そんな顔だったかな(笑)。でも、ほんとにずば抜けた個性だし、唯一無二の存在ですよね。声優をやっていなくても、アーティスト畑だけですごく活躍できる。今も両方で活躍し続けているから、尊敬ですよね。プライベートでも、ちょいちょい一緒に遊ばせてもらってもいるから、個人的にも頼れる兄貴的な存在だなと、勝手に思わせてもらってますよ。

KISHOW 面白いのがね、うちの事務所で杏里とこの子の二人だけは、僕を“くん付け”で呼ぶんですよ。年下なんだけどね。

勇-YOU- ここだけジャニーズルールなんです。親愛の情として(笑)。

――お互いのユニットについてはどうですか? ボーカリストと楽曲クリエイター&ギタリストのコンビと、編成は似ていますが。

勇-YOU- GRANRODEOは1本、柱が出来上がってますよね。完成されている個性があって、e-ZUKAさんとKISHOWくんがやれば、何でもGRANRODEOになる。ただSCREEN modeは、いい意味でも悪い意味でもひとつに定まってないというか。いろんな楽曲や曲調にあえて飛び込んで、10本刀で勝負するみたいな。

KISHOW 勇-YOU-はそう言ってくれるけど、僕は自分をかなり器用な歌い手だと思ってる。歌えと言われればどんなジャンルの曲でもできると思ってるし。でも、世間的にはそのあたりの“GRANRODEO的な”イメージが、強いんだろうな。そういう意味では、勇-YOU-も歌に関しては相当器用だから、与えられたものを何でも歌える自信はきっとあるはず。歌を歌う人間としてのメンタルは、近いものを感じますよね。スクモのほうがもうちょっと“与えられたものを歌いこなす”感が顕著だけど、作家である雅友くんのおもちゃとしての(笑)。

勇-YOU- 言い方!(笑)

KISHOW だから、先輩風を吹かせてもらうとすれば、勇-YOU-はまだまだ証明したいことがあるだろうし、やれるんだってところを見せたい気持ちもあるんだろうな、やって欲しいなと思うのよ。これからもっと、「林勇、勇-YOU-の歌ってすごいね!」と世間に思わせていって欲しいわけ。“歌うま声優”というカテゴリーがあるとしたら、その上位に入るだけの実力があるんだから。

勇-YOU- ありがたいです!

KISHOW あとは、勇-YOU-のやりたい音楽を、これからいかに出していけるかじゃないかな。SCREEN modeもGRANRODEOも、メンバー同士がけっこうな年の差コンビ。雅友くんは俺と同学年だから、そんなところでも親近感がある。ほんと頑張って欲しいよね。 そして僕は、このインタビューで改めて正式に言いたいことがあるんだけど……。

勇-YOU- え? なんですか?

KISHOW 人間、属性が何個かあるとしたら勇-YOU-は2個だけだと。それは「歌うま」と「バカ」。これはずっと言ってるよね?(笑)

勇-YOU- 言ってますね〜(笑)。

KISHOW なので、そこをまずSCREEN modeのボーカリスト・勇-YOU-のキャッチコピーとして、覚えていただきたいなと思いますね(笑)。

――先輩愛を感じますね(笑)。今回『With You』の栄えある1曲目を飾っているのが、SCREEN mode feat. KISHOW (GRANRODEO)名義で収録された「ALIVE」。骨太でダイナミック、華やかなロックナンバーです。どんな曲にしようという相談はされました?

勇-YOU- KISHOWくんに参加をお願いしたときに、どんな感じの曲がいいですかね?っていう話もちょこっとだけさせてもらいつつ、大筋はスクモ内で。せっかくKISHOW先輩も歌ってくれるわけだから、ここはGRANRODEOの主戦場でもあるゴリゴリのロックを一緒に歌うのが面白いんじゃないか……ということを雅友さんと話して、今の「ALIVE」に。雅友さんも、(畠中)祐との「陽だまり」は柔らかいR&Bで「みんなで頑張っていこう」な曲だったから、こっちは違った熱量のほうがいい。同じ「一緒に頑張ろう!」な歌だとしても、「ALIVE」はみんなを引っ張りあげて、聴いてる人を先導していく曲にしたいと言ってましたね。

KISHOW なるほどね。

勇-YOU- しかもそういうゴリゴリのロックを、KISHOWくんと歌わせてもらったら、すごいパワーになるだろう……と、こういう感じになりました。

KISHOW 実はこの曲の第一声は勇-YOU-ちゃんなんだけど、「あれ? 俺の声?」って一瞬思うくらい、仕上がってたんだよね。そのくらい、僕と一緒に歌うことも意識してくれたんだろうなと思ったな。

勇-YOU- いやでも、やっぱり先輩のレコーディングを聴いたら、敵わないですね、個性が(笑)。

KISHOW まぁそこは棲み分けだよ、ユニットの魅力ってトータルパッケージだからさ(笑)。

――SCREEN modeの楽曲としても、かなり熱い感じの曲になっていますね。

勇-YOU- そうですね。わりとマイナーなアップテンポのロック。うちの楽曲でいうと「Reason Living」あたりの感じかなと。

KISHOW そんなにゴリゴリハードだとは思わなかったけど、すごくバランスのとれた曲だと思いましたね。そのあたりは、雅友くんのバランス感覚なんだろうな。アメリカンなロックに振りすぎてもいないし。いろんな人に楽曲提供したり、プロデュースをしてきた、ちゃんと五角形のバランスのとれたポップミュージックのクリエイターだなと思う。だから、あんまり僕を意識して書いてくれていたとは感じなかったんですよ、いい意味で。今回は、先に勇-YOU-ちゃんが歌って、後から僕が歌ったから、今のバランスになっているけど。

勇-YOU- 歌入れの順番が逆だったら、また違う感じの曲になっていたかも知れないですね。

KISHOW そう。僕も自分の味というか、求められてるのはこのへんなのかな?って、なんとなく思いながら歌ったんだけど、すごくいいシンクロしてると思うな。

――「ALIVE」は作曲はもちろん雅友さんですが、作詞を松井洋平さんが書かれていますね。

KISHOW 松井さんはけっこうスクモをやってらっしゃる方?

勇-YOU- そうです。それこそ「Reason Living」も。

KISHOW 僕には書けない、クリエイターの方らしいきちんとした歌詞なので、GRANRODEOの曲よりは、よそゆきな感じでは歌わせていただいたかな(笑)。

勇-YOU- この曲はサビ始まりなんですけど、僕は「踏み出して進むなら 明日はきっと来るだろう」という頭サビのこの2行が好きですね。楽曲で言いたいことが集約されてて、強いフレーズで。



――サビ始まりのシングル曲はGRANRODEOにはわりと少ないですよね?

KISHOW 言われてみればそうだね。「変幻自在のマジカルスター」くらいかな、今思い付くのは。

勇-YOU- うちはシングルでも4、5曲はあるんじゃないですかね。

――なので、これはSCREEN modeの曲らしいなとも感じました。レコーディングはいかがでした?

KISHOW 心地よいキーで歌いやすかったですね。

勇-YOU- たぶん、KISHOWくんはもうちょっと俺より高いんですよね、一番得意なところが。だから僕のキーにほどよく合わせてもらった感じになったんです。メロディーで一番高いのが「We are alive」のところなんですけど、僕は調子が悪かったら出ない音なんですよ。KISHOW先輩、始まる前はあんまり調子よくないんだ今日は、なんて言ってましたけど、めっちゃ軽々出してたから、ほんとに調子が悪いのかな?って疑ってました(笑)。

――畠中祐さんも、他の人のレコーディング現場は緊張するとおっしゃってましたけど、百戦錬磨のKISHOWさんなら、そんなことないですよね?

KISHOW いやいや、やっぱり緊張する。GRANRODEO以外は緊張するよ(苦笑)。

勇-YOU- そんな感じ一切しなかったですよ。

KISHOW はじめましての現場だったら、ライブのほうが全然ラクかな。

勇-YOU- そうなんだ。真逆ですね、俺と(笑)。

KISHOW GRANRODEOのレコーディングは、細かいことなしに、まずは自由に歌わせてもらって、e-ZUKAさんがたま〜に、今のもう1回やってみる?みたいな感じ。今回のスクモのレコーディングは、おそらく雅友くんも僕に気を使って自由に歌わせてくれてたけけど、本来、キミには細かくディレクションしそうだよね(笑)。

勇-YOU- そうですね(笑)。

――同じユニットでも違いがあるんですね。同じ曲を歌ってみて、印象的だったのは?

勇-YOU- やっぱシャウトですかね。僕はわりとクリアに歌ってる部分が多いから、シャウトでKISHOWくんの色に染めてくれて、曲に広がりを作ってくれたなと。“GRANRODEOのKISHOWさん”色を味付けで入れてくれたから、めちゃくちゃかっこよく仕上がったなと思います。

――お二人の細かい掛け合いも、ドライブ感を生んでますよね。

勇-YOU- そうですね。そこも雅友さんの狙いだったみたいです。デュエット曲って、歌詞の1行2行をまとめて一人が歌って交互に、というやり方もあると思うんですけど、1フレーズ1フレーズを畳みかけることで、歌でのバトルを聴かせたいと言ってました。

KISHOW そう、戦ってるような感じもまた新鮮。でもなかなかのものだよね、今回のアルバム。他にも(畠中)祐とTRUEさんが勇-YOU-と一緒に歌ってるんでしょ? 祐は好きな音楽の系統も勇-YOU-と近いし、しかも踊れる。音楽の感覚を最初から持ってるよね、彼も。ジャンルでいうと、マモ(宮野真守)ちゃんの流れのほうかな。そういえば、勇-YOU-ちゃんはマモちゃんと同じ劇団ひまわり出身じゃない。若かりし頃、二人で一緒に歌やってたんだよね?

勇-YOU- 19歳とか20歳の頃ですね、ユニット組んでました(笑)。

KISHOW 宮野くん、未だに言うよ。勇-YOU-の歌を聴いて、こんなに上手い人がいるんだって一度歌を諦めかけたって。

勇-YOU- いやいや(苦笑)。

KISHOW 勇-YOU-のR&B寄りの歌をもっと聴きたいって言ってたなぁ、そういえば。

勇-YOU- 僕は、KISHOWくんにもジャズを歌って欲しいですね。去年、ブルーノート東京でGRANRODEOさんがジャズアレンジ的なセッションライブをやってたじゃないですか。SCREEN modeにも新曲の「世界で一番ステキな恋」を含めて3曲くらいジャズがあるので、ぜひ歌ってもらいたいなと思うんですよ、絶対かっこいいだろうから。

KISHOW 一緒に歌ってみたいね。R&Bやジャズは勇-YOU-ちゃんの主戦場でしょ? 隙あらば、お互いフェイクを入れてくね(笑)。

――逆にGRANRODEOの楽曲を、勇-YOU-さんに歌ってもらうとしたら?

KISHOW あ、それは面白いな。今まで考えたことなかったけど……「21st CENTURY LOVERS」とか「Darlin’」あたりはどう?

勇-YOU- あぁ〜、「Darlin’」好き!

KISHOW 明るくてポップなのがいいよね。あと、知られざるかわいい曲に「マジカル・ストーリー」というのがあるんだけど、それとか。本格っぽいジャズだと「月に抱かれて眠りたい」というのもあるし、ド・ブルースなら「ラクガキMOON」とか。勇-YOU-が歌うとどうなるのか、興味あるなぁ。

――今回は音源での共演でしたが、ライブでもいつか楽曲カバー合戦をやっていただきたいですね(笑)。その前に、ぜひ今回の『With You』で新鮮なコラボの楽しさを、両ユニットのファンの方にも味わっていただきたいです。

勇-YOU- ぜひ! 今回はコラボもそうですが、今までにないことをアルバムでたくさん実現しました。雅友さんが作った田村ゆかりさんの「W:Wonder tale」ですとか、人の歌をセルフカバーして収録するのも初めての経験。いま詰め込められるものを全部詰め込んだので、ぜひとも最初から最後まで、楽しんでもらいたいですね。

INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香

●リリース情報

SCREEN mode 3rd Full Album

『With You』

1月27日発売

【初回限定盤(CD+BD)】



価格:¥4,200+税

品番:LACA-35848

【通常盤(CD)】



価格:¥3,000+税

品番:LACA-15848

<CD>

1. ALIVE feat. KISHOW (GRANRODEO)

作詞:松井洋平 作曲・編曲:太田雅友

歌:SCREEN mode feat. KISHOW (GRANRODEO)

2. WRIGHT LEFT

作詞:松井洋平 作曲・編曲:太田雅友

3. GIFTED

作詞:松井洋平 作曲・編曲:太田雅友

4. W:Wonder tale

作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:太田雅友

※田村ゆかりカバー楽曲

5. Unforgettable

作詞:村野直球 作曲・編曲:太田雅友

6. 今夜も月がきれい feat. TRUE

作詞:唐沢美帆 作曲・編曲:太田雅友

歌:SCREEN mode feat. TRUE

※芹澤優カバー楽曲

7. 世界で一番ステキな恋

作詞:山本成美 作曲・編曲:太田雅友

8. 君がいる世界

作詞:村野直球 作曲・編曲:太田雅友

9. 陽だまり feat. 畠中 祐

作詞:林勇 作曲・編曲:太田雅友

歌:SCREEN mode feat. 畠中 祐

10. One Wish

作詞・作曲・編曲:太田雅友

<Blu-ray>

01. Unforgettable (Music Video)

02. SCREEN mode 5th Anniversary Live -月光STORY- (Director’s Cut)

関連リンク



SCREEN modeオフィシャルサイト