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「アイドルマスター シャイニーカラーズ」の桑山千雪役をはじめ、数々のアニメ/ゲーム作品に出演し、同時に多くのキャラクターソングを聴かせてきた芝崎典子が今年、待望のメジャーデビューを果たす。これまでの自分にはないというアグレッシブなサウンドから、自身の作詞を含めてこれまでの自分を探るような楽曲まで、まさに芝崎典子の過去と現在と未来、そして“みんな”を繋いだ1枚となったミニアルバム『Follow my heart』とともに、彼女の自身の歌にかける想いに迫った。

――メジャーデビューが決まったときの感想はいかがでしたか?

芝崎典子 本当にびっくりが最初で。スタッフさんからも「打ち合わせに行くけど大丈夫だよね?」って聞かれて、そこで初めて「おお……やるしかない」って思ったのが正直なところでした(笑)。役者としてまだまだな自分にこういうお話をいただけたことに、最初は大きすぎて自分にできるんだろうかというのは思ったんですけど、私がアーティストデビューをすることで悲しむ人はいないだろうと思って(笑)。

――そうですね(笑)。

芝崎 私が自分の殻を破って頑張る姿を見て喜んでくださる方がいるのであれば、それが私の幸せにもなるのだから頑張ってみようと思いました。

――デビュー以前からキャラクターとして歌う機会は多くありましたが、アーティストとして活動することへのイメージはありましたか?

芝崎 私が声優さんのライブを初めて観に行ったのが、お友達の相坂優歌さんのワンマンで、「うわ〜すごいなあ、私にはできない」って思ったのを覚えています。そのときは自分には降りかからない(笑)、すごい人がやっているものだと思っていて、あくまで観客として楽しんでいました。それでも歌はやりたいと思っていたし、自分の新しい表現というのをやってみたいとずっと思っていたので、そういう機会をいただけたことはすごく嬉しかったですね。

――ちなみに芝崎さんのなかで影響を受けたアーティストはいますか?

芝崎 私はずっとザ・ビートルズが好きで、ファンクラブにも入っています。ポール・マッカートニーが来日したら必ずアリーナ席で観るぐらいビートルズひと筋だったんですけど、さすがに「目標=ビートルズ」なんて口が裂けても言えないです(笑)。それでいうとやっぱり相坂優歌さんのライブを観たのは大きくて、ああいうかっこいい自分を見せられる相坂さんみたいに、自分の軸を大切にしてやっていけたらなって思いました。

――そこから本作『Follow my heart』を制作するうえで、どんな自分らしさを見せていきたいと思われましたか?

芝崎 最初にお話をいただいたときは、これまでの私のイメージにあるふんわりとした方向でいくのかな?って思っていたら、「かっこいい感じでいきたい」という話をいただいて。想像がつかなかったんですけど、楽曲をいただいてお話をしていくうちに、かっこいいと言ってもみんなを引き連れるかっこよさというより「一緒に頑張っていこう」「一緒に歩いていこう」という存在というか、みんなを励まして一緒に頑張れる、そういう人でありたいなって。

――そんな『Follow my heart』ですが、まずはモータウンビート調のキュートな「紙飛行機」から幕を開けます。

芝崎 サウンドのかわいらしい感じから、この曲に自分が高校時代に感じたことを重ね合わせてみました。自分の将来にもまだまだ無限の可能性がある、何にでもなれる気がした当時の気持ちを思い出して、高校時代の自分の歌い方を意識して歌いましたね。

――高校時代の歌い方ですか。

芝崎 当時から比べると歌い方も結構変わったなって思っていて。キャラクターソングを歌っていくうちに、私というよりは歌の上手いキャラクターたちに寄せていった部分もあったので、この曲では“始まりの自分”というのを意識して、真っ直ぐに音を出そうって思って歌いました。

――アルバムのオープニングを飾る意味でも、昔の自分からスタートするというのは面白いですね。

芝崎 そうですね。でも思い出し作業のようなやり方でもあるので結構テイクを重ねて、何度も自分の声色を確かめながらレコーディングしていきました。

――続いてはリード曲であり、最初に芝崎さんがもらったかっこいい楽曲という「MAZE」です。

芝崎 最初は「うわーかっこいい! こんなにいい曲をいただいてうれしい!」って思いました。ただ、歌詞を読んでいくと2番あたりから、「MAZE」というタイトルらしく今よりちょっと迷いが多かった印象だったんですね。私としては「1番は希望を捨てきれずに迷いながらも走っていて、2番はもう少し視界が開けて自分を信じて、さらに踏み出すイメージにしたいです」ってお伝えして。2番の“華やいだ 街の灯りが不意に”というのも、最初はその灯りが睨みつけてくる印象だったんですけど、私はそこまで敵意を持つものではなく、もうちょっとプラスの方向に持っていきたいと思って、何度かやりとりさせていただきました。

――たしかにこの曲での芝崎さんのボーカルは、序盤と終盤では同じフレーズでも聴こえ方が違うというか、後半にいくにつれてより鮮明にくっきりとした輪郭を持った歌唱になっている気がします。

芝崎 嬉しい! 一番気にしたのは、サビの最後の“きっと辿り着けるさ”というところで、1番ではそう言いつつもまだ不安がある感じ、2番以降はそういう自分を乗り越えなきゃいけないという気持ちで、“もっと高く飛べるさ”“きっと辿り着けるさ”と力強く羽ばたいていくように歌おうって心がけましたね。

――そうした振り幅のあるアルバム前半ですが、続く「SLYCAT」もまた、ジャジーで大人っぽい芝崎さんの歌が聴けます。

芝崎 これはもう、ものすごく楽しかったです。この歌が持つキャラクターって、ある意味自分とかけ離れたところにあると思っていたので、完全に演じることを意識していました。こういう感じの歌は本当に好きなので自分が歌えるのも嬉しかったですし、収録しているときにスタッフさんから「楽しそうだ」って言ってもらったのも嬉しかった曲ですね。

――たしかにまたこれも芝崎さんの新しい声の魅力が出た曲だなと。

芝崎 「妖艶さを出せるように頑張ろう!」って(笑)。こういうタイプの曲もまたやっていきたいですね! すごく楽しかったです。

――続いてはポップなアプローチの「RainyDay」。

芝崎 本当に素朴な、感じたままを歌おうって思いました。すごくかわいらしい曲だし、強く跳ねるところも雨の中をぴょんぴょんっていう、ちょっとはやる気持ちもあって少しだけ早足で歩いている、そんなテンポも意識しました。私はそんなにリズム感に自信があるわけではないですが、そこのテンポ感は大事にしましたね。

――そして「MAZE」と同じくアグレッシブな「twinkle star」へと続きます。

芝崎 これは「MAZE」にあった迷いというより、これまでの自分を肯定して、だからこそ輝けるというポジティブな歌ですね。それもあって希望いっぱいで歌おうと思いました。

――「MAZE」や「twinkle star」と、こうしたアグレッシブな楽曲を歌ってみて、自分のなかであらたな発見もあったのでは?

芝崎 とにかく楽しいなって思いました。こういう楽曲はこれまで歌ってこなかったのもありますし、これをライブでやることになったら盛り上がるだろうし、そこでまたファンのみんなと一体感が生まれたらいいなって思います。

――やはりこの楽曲の先にはライブというものが見えているわけですか?

芝崎 以前ファンミーティングで何曲か披露させていただいたんですよ。最初に「MAZE」を披露させていただいて、そのあと「SLYCAT」と「twinkle Star」を無観客配信イベントで披露させていただきました。「twinkle star」は無観客の中での披露だったからか、より「みんなで盛り上がりたい!」という気持ちが自分のなかで沸々と湧き上がってきました。あとこの曲では一応振り付けもつけていただいたんですけど、私、煽り慣れていなくて……なんかダサいんですよね(笑)。

――煽りがダサいですか(笑)。

芝崎 そうなんですよ。これまで煽ったことがないので(笑)。

――煽りのない人生だったと(笑)。お客さんを前にしたパフォーマンスをすることで、アーティストとして一歩先に進めると思いますし、それがきっと2021年には待っていることでしょうし。

芝崎 そうですね! その日が来てくれることを楽しみにしています。

――そしてアルバム最後の曲となる「足音が聞こえる」。こちらは芝崎さんの作詞によるバラードとなりました。

芝崎 実は私、大学の頃に友達と二人でユニットを組んで、路上ライブをやっていたんですよ。そのとき一緒に組んでいた子が「詞を作ってくれたら曲をつけるよ」って言われて最初に書いた歌詞が、「足音が聞こえない」っていうタイトルでした。

――本作とはまた逆のタイトルですね。

芝崎 その曲を書いた当時は声優の専門学校と大学のダブルスクールをしていたときで、私がまだ夢に近づいているかわからない、夢の足音も聞こえないっていう状況のなかで作った歌で。そこを私が育てようとしていた植物の芽が出ないというのと掛け合わせて、ちょっとまだ足音が聞こえませんという歌詞にしたんですけど、それを思い出して、最初に曲を作るなら、あのときの自分が今、足音を聞こえたことを書いたら、私にとっても最初の歌詞としてふさわしいんじゃないかなって思って。

――そうした芝崎さんの過去と現在、未来に向けての想いが素直に、ポジティブに綴られた素敵な楽曲ですね。

芝崎 私にとってはそういう曲ですが、聴く人にとっては捉え方が変わってもいいし、いろんな人の気持ちに寄り添っていければなって。これまでの楽曲が「よしいくぞ!」っていう力強いタイプのものが多かったので、できたら私も頑張っているし、こうやって生きているよ、みんなも生きていこうねっていう同じ目線というか、近いところに立った歌にしたいなと思っています。

――「紙飛行機」や「足音が聞こえる」で過去の自分を探りながら、「MAZE」や「SLYCAT」などで新しい自分を発見する、芝崎さんを様々な角度から見つめる1枚になりました。そんな『Follow my heart』をみなさんに届く瞬間が近づいていますが……。

芝崎 うふふふ……いやあ、「本当かな?」っていうのがまだあります(笑)。

――ドッキリかと(笑)。たしかに本作が店頭に並んで、皆さんの感想をもらって実感が湧くのかもしれないですね。

芝崎 う〜ん、そうなんですかねえ、それでも実感湧くのかなあ(笑)。

――わははは、店頭に並んでいても実感湧かなかないのはさすがに疑り深すぎますよ!(笑)。

芝崎 これも手の込んだドッキリかもって(笑)。

――そんな心境で聞くのもアレですが(笑)、メジャーデビューを果たした2021年をどう過ごしていきたいと考えていますか?

芝崎 うわあ〜(笑)。でも何事も、踏み出してみないとわからない世界があるんだと思います。元々アーティスト活動をさせていただくというのも自分の中ではびっくりなことだったんですけど、デビューさせていただくことによってまた気持ちを新たにして、できれば今年は皆さんの前で歌う機会がいっぱいあればいいなと思いますし、私の過去と今と、皆さんを繋げる1年にしたいなと思います。

INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一

●リリース情報

『Follow my heart』

2021年1月20日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】

品番:MUCD-8146/47

価格:¥2,727+税

【通常盤(CD)】

品番:MUCD-1465

価格:¥2,000+税

<CD>

01. 紙飛行機

02. MAZE

03. SLYCAT

04. RainyDay

05. Twinkle sta

06. 足音が聞こえる

<DVD>

1.MAZE Music Video

2.Making of MAZE

関連リンク

芝崎典子 アーティスト公式サイト芝崎典子 公式Twitter