中国・武漢で開催された、新型コロナウイルス感染症との闘いをテーマにした展示会(2021年1月15日撮影、資料写真)。(c)NICOLAS ASFOURI / AFP

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【AFP=時事】中国・武漢(Wuhan)で新型コロナウイルス感染症により亡くなった人々の遺族は27日、世界保健機関(WHO)によるウイルス起源調査の開始を目前に控え、ソーシャルメディア上のグループが削除され、口を閉ざすよう圧力を受けていると訴えた。

 1年前に武漢を襲った同ウイルスの感染拡大をめぐっては、大勢の遺族が、当局の対応の誤りを非難しており、オンライン上で結束を固めて武漢当局に説明責任を果たすよう求めている。

 しかし遺族に対する当局からの圧力は、最近さらに強まっている。WHOによる慎重を要する調査の期間中、いかなる批判をも抑え込み、失態を回避しようとする動きとみられている。

 SNS大手「微信(WeChat、ウィーチャット)」上で遺族80〜100人が参加するグループは10日ほど前、突然何の説明もなく削除されたと、メンバーの一人の張海(Zhang Hai)さん(51)が明かした。

 張さんは、新型コロナウイルスによるものと疑われる症状で流行初期に父親を亡くし、これまで当局を強く非難してきた。

 当局によるグループ削除について張さんは「当局が非常に神経質になっているのが分かる。遺族がWHO調査団と接触するのが怖いのだ」と指摘した。

 今月14日に武漢入りしたWHO調査団は2週間の隔離を経て、28日から市内で調査を開始する予定。

 張さんは、調査団が武漢入りした際に当局が遺族のグループを強制解散させたため、「多くのメンバーとの連絡が途絶えた」と述べた。

■「弔慰金」を握らされ

 同ウイルス感染症で1年前に娘を亡くしたという別の遺族は、先週当局に呼び出され、「メディアの取材に応じたり、その他の者らに利用されたりする」ことがないよう警告を受けたとAFPに明かした。

 また26日には当局者がこの遺族の元を訪れ「同じ言葉を繰り返し、『弔慰金』だと言って5000元(約8万円)を渡してきた」という。

 武漢在住の遺族の中には、自治体関係者らを相手取って補償と処罰を求める訴訟を起こそうとした人々もいたが、裁判所は訴えの受け入れを拒否したとされる。

 AFPは遺族やその要求に関して武漢市に何度も取材を申し入れているが、回答は得られていない。

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