ナダル「プレー機会があるだけでも恵まれている」。隔離不満の選手たちへ「より広い視野」求める

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2月2日開幕の「ATPカップ」に向け、オーストラリア・アデレードのホテルでの検疫期間を過ごしている男子テニス世界2位ラファエル・ナダル(スペイン)。CNNのインタビューにおいて、現在世界が厳しい状況のなか「全豪オープン」でプレーできることは「恵まれている」と語った。

現在選手たちは新型コロナウイルス感染症拡大を抑えるために、それぞれ現地のホテルで2週間の隔離中。さらに、錦織圭(日本/日清食品)やダニエル太郎(日本/エイブル)を含む72名の選手は、オーストラリアに向かった際のチャーター機内同乗者が新型コロナウイルス陽性と判明し、2週間まったく部屋から出ることができない完全隔離となっている。


厳しい隔離措置が取られるなか、一部の選手たちからは「もし1人陽性が出たらその飛行機に乗っていた全員を隔離するとは事前説明されていなかった」とする主張や、批判の声もあがった。


ナダルはこういった事を念頭に「彼ら全員には非常に気の毒だと思っているが、ここに来る際に厳しい措置が取られることは分かっていた。この国はパンデミックのなか素晴らしい対策をしていることを知っていたからだ」と話した。


「文句を言いたくなるのは当たり前のことだが、一方で世界中でどれだけ多くの人が亡くなっているか。お別れを言う機会もなく、父親や母親を失っている人がどれだけいるかを理解しなければならない」「これは哲学を語っているのではなく、現実に起きていることだ」


そのように話し、ナダルは選手たちに「より広い視野を」持つべきだと訴えた。


「いつもとは違う状況で、選手たちみんなにとってかなり辛い状況だ」「しかし、少なくとも我々はここにいてプレーするチャンスがあるんだ。世界はどこでも大体苦しんでいるのだから、我々は文句を言うことはできない」


「仕事を続けられるチャンスがあるだけ、今の僕たちは恵まれていると思うんだ」


(テニスデイリー編集部)


※写真は2020年「Nitto ATPファイナルズ」でのナダル
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)