宮城県東松島市に新たに「ブルーインパルス通り」ができました。全国に「自衛隊前駅」や「自衛隊通り」はあったものの、固有の組織名が付いた通りはあまり聞いたことがありませんでした。いったい、どんな道路なのでしょう。

「ブルーインパルス通り」は3路線の総称

 2020年12月24日、宮城県東松島市において道路看板の除幕式が行われました。その名も「ブルーインパルス通り」。航空自衛隊のアクロバット飛行チーム、「ブルーインパルス」の名を冠したストリートというわけです。


矢本駅近くに立てられた「ブルーインパルス通り」の愛称看板(乗りものニュース編集部撮影)。

「ブルーインパルス通り」は、東松島市が市制施行15周年の記念事業として行ったもので、JR仙石線矢本駅から、航空自衛隊松島基地の若松門までを結ぶ区間の道路愛称です。

 駅と基地を結ぶ道路は、県道矢本停車場線、市道矢本駅前線、市道新沼54号線の3路線からなり、総延長は約600m。市の中心部を南北に貫き、松島基地航空祭や東松島夏まつりなどの地域イベントではメインの動線となることから、今回、愛称を付けたといいます。

 道路愛称は、公募で集まった198案のなかから審査によって選定されたそうで、12月の除幕式には愛称名が採用された方々(同一名称応募者)も参加していました。

 なぜ、ブルーインパルス通りなのかというと、航空自衛隊松島基地が「ブルーインパルス」の母基地、マザーベースだからです。ここを拠点に「ブルーインパルス」は全国に展開しており、また周辺空域を使って日夜訓練を行っています。

 そのため日によっては、基地の周りに「ブルーインパルス」目当ての一般市民が集まっていることもあります。

抜群の知名度を誇る「ブルーインパルス」だからこそ

 実際、現地に足を運んだ人の感想を聞いたところ、「思ったよりも短かった」とのこと。
とはいえ、通りの歩道に設けられたマンホールがブルーインパルスのデザインになっているのは面白いと感じたそうで、この機会に「オリジナルデザインのマンホール蓋を増やせばいいのに」とも話してくれました。

 また、道路の愛称にブルーインパルス通りと付くことに対しては、「東松島市の地域経済にブルーインパルスが貢献しているのを実感した」とも語っていました。


ブルーインパルス通りの途中にある交差点から航空自衛隊松島基地の方向を見たところ(乗りものニュース編集部撮影)。

 新型コロナの感染拡大の影響により、2020年は全国の自衛隊基地で軒並み航空祭(エアショー)が中止になりました。一方で5月には、医療従事者らへ敬意と感謝を届ける目的で、東京上空をブルーインパルスが編隊を組んで航過飛行し、話題にもなりました。

「ブルーインパルス」が通りの名になったというのは、それだけ自衛隊の組織名のなかでは屈指の知名度を有する証なのかもしれません。