久慈暁子アナ

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 各局の春の改編はちょっとしたお祭り騒ぎだ。名物番組から誰が去り、誰が次の席に座るのか。それは局からの期待値とイコールである。今回、最も期待値の低さを印象づけてしまったのが、4月にフジテレビ入社5年目を迎えるクジパンこと久慈暁子アナではないか。人気番組「めざましテレビ」の次期メインキャスターは、彼女ではなく後輩の井上清華アナと報道され動揺が広がっている。久慈アナは入社直後から「めざましテレビ」のスポーツキャスターを担当していただけでなく、今は「めざましどようび」MCを務めている。いわば生え抜きの「めざましファミリー」なのに、後輩にお株を奪われた格好だ。

【写真】久慈暁子が“不仲”と噂される女子アナとは

 もともと鳴り物入りの入社だった久慈アナ。青山学院大学生時代にスカウトされ、旭化成のキャンペーンガールやnon-noの専属モデルとして活躍していた。芸能活動豊富な彼女は、即戦力としての働きを期待されていたことだろう。実際「めざましテレビ」でも堂々としていたし、目を引く華もある。看板女子アナになる素質は十分あっただろう。実はお母様も地元でアナウンサーを務めていたという。

久慈暁子アナ

 しかし番組では空回りや言い間違いが目立ち、特にスポーツ選手へのインタビューが的外れだと批判を浴びた。かわいいだけでアナウンス力不足という評価は、4年近く経ってもなかなか拭えなかったようである。

 スポーツ担当としての起用は、本人の水泳やチアリーディングの経験もふまえてのことだろう。おまけに、あの大谷翔平選手と同郷で同学年という話題性もあった。けれども、1年目から目立ちすぎる存在だったのが災いした。彼女と人気アスリートとの一挙手一投足は必要以上に注目を浴びた。サッカーの長谷部誠選手に、「(引退を発表した)インスタグラムが感動を呼んでいるようですが」と聞く。フィギュアスケートの羽生結弦選手には、「平昌五輪でおいしかった料理は」と問う。言葉の選び方が下手なのだろう。選手たちはやや面食らっていたように見えた。

 といっても、久慈アナにしてみれば、「なんで私だけ」と思うのではないか。フジの女子アナたちは、多かれ少なかれポンコツなのが可愛げとされて、売りでもあった。ミスをしても、「今日の占いCOUNTDOWN」ばりに、「ごめんなさ〜い!」とテヘペロ顔でやり過ごしてきたではないか、と。

 羽生選手の金メダルに触ってはしゃいだ三田友梨佳アナ。菊池雄星選手にパンツが見えそうなミニスカートでインタビューして反感を買った平井理央アナ。あの高島彩アナだって、「団塊」を「だんこん」と読み間違えたのは今だに語り草である。

 4年近く経ってもいっこうに安定感のない久慈アナを、失敗作と批判するのはたやすい。けれども、フジテレビは本来、こういう女子アナたちを「愛嬌あるスターアナ」として重宝してきた節もある。クジパンっていう呼び名もどうなの、とは思うが、花形アナに代々つけられてきたあだ名である。それだけ期待していた裏返しでもあるだろう。そう思うと、久慈アナはただの失敗作アナというより、いま最もフジテレビらしいアナとさえ思う。そしてフジテレビ色に染まり切ったゆえの、被害者でもある気がする。

既定路線はフリーか寿か……フジテレビ路線を脱却できるかがクジパンにとっても局にとってもカギ

「めざましテレビ」は、いち視聴者から見ると長年「内輪ノリ」の番組だ。女子アナやらジャニーズやら、上級国民たちがわちゃわちゃやってるなあ、という雰囲気。だから久慈アナも、ファミリーの中ならば多少のことは許されると思っていたのではないだろうか。若手女子アナだけに読みが甘いといえばそれまでだが、さすがに最近では上司の三宅正治アナらもヒヤヒヤしている時もある。何より、あの手のノリはお茶の間からも敬遠されるようになってきた。ある調査によると、就職人気ランキングでもフジテレビは100位以下に転落、テレビ東京にも負けているそうだ。

 先日の占い番組では、ネットニュースでの批判や反省会で怒られたことがトラウマとなったとこぼしていた久慈アナ。ただ不安という割には、焦りが見えないのも損をしているだろう。良く言えば度胸があるが、悪く言えば鈍感な雰囲気。少し前には、同期の海老原優香アナとの不仲も噂されたが、あまり否定もしないしあわてる様子もなかった。

 でもそれくらいの方が、女子アナという因果な職業には向いているのかもしれない。嫌気がさしてフリー転身か寿退社じゃないの、なんて言われているが、汚名を返上するまで踏ん張り抜いてほしい。彼女がフジテレビ的なノリや技に頼らなくなり、押しも押されもせぬ看板アナになった時、フジテレビ自体の巻き返しも始まるのではないか。

冨士海ネコ

2021年1月24日 掲載