コロナ禍でも人気の『ポケモンGO』

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―[絶対夢中★ゲーム&アプリ週報]―

◆『ポケモンGO』コロナ禍でも絶好調の理由

 2016年から配信開始された位置情報アプリ『ポケモンGO』。このコロナ禍の外出自粛でピンチに陥るかと思いきや、絶好調。昨年11月に発表された米調査会社のデータによると、2020年1〜10月の売り上げは過去最高だった2019年を抜いて10億ドルを記録したとのこと。

 これは、同期間において世界のアプリで1位『PUBG MOBILE』、2位『王者栄耀』に次ぐ3位となる金額。日本国内では『ドラゴンクエストウォーク』も支持を集めていますが、世界的には位置情報ゲームの不動の王者といえるでしょう。

 コロナ禍でも売り上げが伸びた理由は、ジムの付近に行かなくても遠隔でレイドバトルに参加できるリモートレイド(昨年4月導入)が当たったから。1枚100円、3枚250円のリモートレイドパスをついつい買ってしまうという人も多いようです。

 さて、これだけ売り上げが上がっているなら、ユーザーの満足度も高いかというと決してそうではないのが『ポケモンGO』らしいところ。日に日にユーザーの不満は膨らんでいます。

◆ユーザーは何に怒っている?

 その根本的な要因の1つは、“ポケモンを集めたいユーザーVS対人戦「GOバトルリーグ」に誘導したい運営”の構図。インタビューなどを見る限り、運営するナイアンティックは、昨年1月から実装された3匹のポケモンのパーティを戦わせる「GOバトルリーグ」をeスポーツとして確立させたいと考えているようです。

 そこで行なった施策が、「GOバトルリーグ」の報酬として色違いポケモンや初実装のポケモンを出すこと。昨年3月のダークライ(色違いが一定の確率で出現)から始まり、この1月には初実装のプルリルがGOバトルリーグのみの報酬として登場しました。

 フィールドに出現することもなく、協力しあえるレイドにも出ず、GOバトルリーグで勝ち星を稼いでランクを上げなければもらえない……。これには人間同士の対戦を好まないコレクター層から強い拒否反応が出ています。

◆コミュニティデイにも不満が

 また、月に一度開催され、特定のポケモンが数時間にわたって大量発生するおなじみの人気イベント・コミュニティデイにも不満の声が上がっています。これまでは普段は出ないレアポケモンの色違いが実装されるなどコレクター心をくすぐる内容でしたが、「GOバトルリーグ」実装以降は、対人戦で役に立つポケモンが選ばれる傾向が強くなり、コミュニティデイはやや盛り上がりに欠けています。

「GOバトルリーグへの露骨な誘導」と見なすユーザーが多く、ユーザーが遊びたいことと運営の方針のギャップが大きくなっているのが現状です。

◆『ポケモンユナイト』の影響は?

 実は、株式会社ポケモンと世界有数の大手ゲームメーカー・中国のテンセントとのコラボによるアプリ『ポケモンユナイト』の配信が控えています。『ポケモンユナイト』はeスポーツとして海外で高い人気を誇る「MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)」というジャンル。

『ポケモンユナイト』が『ポケモン』のeスポーツの代表格として定着してしまう前に、「GOバトルリーグ」を軌道に乗せたいという思いがナイアンティックにはあるのかもしれません。

 大きな視点でとらえれば、『ポケモン』を背景にした中国VSアメリカと見ることもできそうです。

 こうした対人戦バトルへの誘導以外にも、4年以上維持されてきたプレイヤー&ポケモンレベルの上限がこの12月に急にレベル40からレベル50に開放され、インフレ的にポケモンを強くするための課金を迫られる状況が起こっています。こちらは数少ない対人戦プレイヤーをいらつかせる結果に。本質的には『ポケモンGO』の対人戦バトルは奥深く面白いのですが……。

『ポケモンGO』は今後どこに向かうのか? ユーザーはそれについてくるのか? 『ポケモンユナイト』が配信されたとき、どうなるのか? この7月に『ポケモンGO』は節目の5年目に入りますが、順風満帆というわけではなさそうです。

―[絶対夢中★ゲーム&アプリ週報]― 【卯月鮎】
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン〜なつかしゲーム子ども実験室〜』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も