超セレブなのに超過酷!?江戸幕府将軍のモーニングルーティン(スタイリング編)

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Japaaan読者の皆さんこんにちは、ライターのほおの紅です。去年大流行したモーニングルーティン動画に今更ハマってます。

というわけでお待ちかね(?)、今回はYouTuberもびっくりな江戸幕府将軍のモーニングルーティンを覗いてみましょう!

朝イチで牛みたいに鳴く小姓たち

ここは大奥の手前にある将軍のプライベート空間、中奥(なかおく)。江戸城の将軍の起床は明け六つ(AM6時)。将軍がお休みになっているのは十八畳の御休息之間(ごきゅうそくのま)の上段です。

おっと、世話役の小姓や道具管理係の小納戸(こなんど)が、その部屋に静かに入って掃除を始めました。将軍はその物音で目を覚ました模様。ちなみにこの時点で起きずに寝コケてたら、小姓が容赦なく声をかけて叩き起こします。

ここで、寝ずの番(宿直当番)だった小姓たちが部屋の外に出て「もーーう、もーーう」と叫び触れ回りながら歩き始めました。眠すぎて牛になってしまったのでしょうか。

いいえ、彼らは周りに将軍の起床を知らせるため「将軍様もうお目覚めでござる」という言葉を省略して「もーう」と言っているのです。略しすぎ!!

起床後は大忙し!

さて、うとうとしながらも小納戸が準備したうがい台でうがいをします。うがいは唐草模様の瀬戸物の大茶碗のお湯で口を濯ぎ、黒漆塗りの痰壺に吐き出したとか。

ちなみに将軍には大奥の仏間で毎日歴代将軍の位牌の並ぶ大きな仏壇を拝むというルーティンがありましたが、洗顔後すぐに拝礼に行ったという説があります(朝食後という説も)。仏間に行く際はわざわざ袴を着けて裃に着替え、刀は二本差しというフォーマルな姿に。めんどくさっ!そうして有名な御鈴廊下《おすずろうか》を通って大奥へ。

 

絵:筆者

思い入れの強い歴代将軍の月命日にはめちゃくちゃ長く拝む人もいたそうです。特に家康公の月命日である17日は重要視されていました。

髪結

髪の毛は御髪番(おぐしばん)が月代を剃り、髭を剃り、髪を結います。御髪番は、小姓たちの中から器用な者が選ばれて担当しました。将軍の髪型は大銀杏。白い元結を12、3本もぐるぐる巻き、平まげだったそう。

さて、次回はお待ちかねの朝食です!

参考文献:「サライの江戸 江戸城と大奥: 「江戸始図」でわかった“家康の城”の全貌 (サライムック サライの江戸)」小学館