1984年に冬季五輪の会場となったボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ近郊、ヤホリナ山のスキー場(2019年1月30日撮影)。(c)ELVIS BARUKCIC / AFP

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【AFP=時事】ボスニア・ヘルツェゴビナで20日、4か所のスキー場が共通のスキーパスを導入した。民族間の分断が激しい同国では珍しい試みとなる。

 1990年代の内戦以来、ボスニア・ヘルツェゴビナはセルビア人共和国(スルプスカ共和国)と、イスラム教徒とクロアチア人で構成するボスニア・ヘルツェゴビナ連邦(ボスニア連邦)の二つの「国家内国家」に分裂しており、政治的・行政的な頭痛の種となっている。

 1984年に冬季五輪が開催された首都サラエボを囲む山間部は、両方の地域にまたがっており、それぞれのスキーリゾートでは通常、異なる利用券が必要だ。

 新たに導入されたスキーパスは10日間有効。スルプスカ側のヤホリナ(Jahorina)、ラブナ(Ravna)、連邦側のビイェラシュニツァ(Bjelasnica)、ブラシッチ(Vlasic)という四つの山にまたがる計100キロのゲレンデを利用できる。

 これら四つの山すべてを訪れるスキーヤーもいるが、多くのスキーヤーは一方の側の山のみを利用している。地域社会の分断は、終結から四半世紀が過ぎた内戦の名残だ。

 サラエボから訪れていたスキーヤー、アマル・ラモビッチ(Amar Ramovic)さんは「他の国だったら、この取り組みは全く普通のことだし、合理的だろう。(中略)でも、ここでは驚きと喜びをもたらすニュースだ」と語った。

 これらのスキー場は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の中でも営業を続けており、新しいパスにより収入が増えることも期待している。

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