電子書籍プラットフォーム「Kindle」を展開するAmazonが、「大手出版社5社と秘密裏に契約を交わし、電子書籍の価格を上げるように市場操作を行った」として、集団訴訟を提起されたことが報じられています。

Amazon, a Longtime E-Book Discounter, Is Accused of Driving Up the Price of E-Books - WSJ

https://www.wsj.com/articles/amazon-a-longtime-e-book-discounter-is-accused-of-driving-up-the-price-of-e-books-11610748615

Amazon.com and 'Big Five' publishers accused of ebook price-fixing | Ebooks | The Guardian

https://www.theguardian.com/books/2021/jan/15/amazoncom-and-big-five-publishers-accused-of-ebook-price-fixing

New lawsuit accuses Amazon of e-book price fixing - The Verge

https://www.theverge.com/2021/1/17/22234684/new-lawsuit-accuses-amazon-e-book-price-fixing

シアトルの法律事務所であるHagens Bermanは2021年1月14日付でニューヨーク州の連邦地方裁判所に、Amazonに対する集団訴訟を提起しました。訴訟の内容は、Amazonとペンギン・ランダムハウス、アシェット・リーブル、ハーパーコリンズ、マクミラン、サイモン&シュスターが「最恵国待遇」と呼ばれる条項に基づき、Amazon.com以外の小売プラットフォームでAmazon.comよりも低価格で電子書籍を販売することを禁止する契約を交わし、電子書籍の価格を故意に引き上げたというものです。

訴状によれば、アメリカの印刷本の50%以上、電子書籍のほぼ90%がAmazon.comで販売されており、Amazonの価格操作が電子書籍市場全体へ与える影響は非常に大きなものだといえます。

Hagens Bermanは「Amazonと五大出版社との間でかわされた合意は不当な取引制限であり、価格競争を妨げ、消費者がAmazonと競合する電子書籍小売業者を通じて五大出版社の電子書籍を購入する際に過大な支払いを強いる原因となります。Amazonと五大出版社がこの契約を破棄しない限り、その害は存続し衰えることはないでしょう」と述べ、反トラスト法(独占禁止法)違反だと主張しました。

IT系ニュースサイトのThe VergeがAmazonと五大出版社にコメントを求めたところ、Amazonとペンギン・ランダムハウスは回答を拒否し、他の出版社からは反応がないとのことです。

なお、Hagens Bermanは、2012年にAppleと同じ五大出版社に対して「Amazonによる電子書籍市場の支配を打ち破るため、Appleが共謀して起こしたものだ」と主張し、集団訴訟を起こしています。この訴訟は2015年にAppleが敗訴し、2016年に最高裁判所が控訴を却下。最終的にAppleは4億5000万ドル(当時のレートで約510億円)の和解金を支払うこととなりました。

Appleが約510億円の賠償金を支払いへ、電子書籍の価格操作で最高裁が上告を棄却 - GIGAZINE

By J.Byerly