SDGsの取り組みとしても、最近よく耳にする「フードロス(食品ロス)」。日本国内でのフードロスは、なんと年間約612万トンで世界の食糧援助量の1.6倍に相当する量とのこと。そんなもったいない状況を解消しようと、国内でも様々な取り組みが生まれていることをご存知でしょうか。

本記事では、賞味期限の迫った商品をお得に購入できるサービスから、規格外の食材を原料に作られた雑貨まで、身近に取り入れやすい12のサービスをご紹介します。

フードロス(食品ロス)とは?

まだ食べられるのに廃棄される食品のことを指す「フードロス」。けれどフードロス削減に取り組むECサイト<KURADASHI>を運営する株式会社クラダシによると、食べきれなかったものだけを指すわけではないとのこと。

賞味期限が迫っていたり、パッケージの汚れや傷、自然災害による被害などの要因で、本来食べられるにも関わらず通常の流通ルートでの販売が困難な商品も「フードロス」に該当するそう。

国内のフードロスの現状

農林水産省の公表によると、国内のフードロスは年間約612万トン。これは世界の食糧援助量の1.6倍に相当する量で、国民一人当たりに換算すると、毎日お茶碗一杯分の食べ物を廃棄していることに…。

世界で飢餓に苦しむ人々に支援されている総量よりも、国内で廃棄されている食品のほうが多いのです。

国内でのフードロスに対する取り組み

規格外の食材を生かしたミールキット、スイーツやフルーツまで、おすすめのサービスをご紹介します。

KURADASHI(クラダシ)

「KURADASHI(クラダシ)」は、賞味期限が間近に迫った商品や季節商品などを、最大97%オフの割引価格で販売しているECサイト。直近ではコロナウイルスの影響で余剰在庫となった食品なども多く扱っています。

売り上げの一部は環境保護や動物保護などの活動に寄付されるため、お得に買い物しながら、フードロスだけでなく様々な社会貢献にもつながるプラットフォーム。

2015年2月にローンチされたパイオニア的存在で、取り扱いアイテムの幅広さも最大級。数量限定品ばかりなので、早めのチェックがおすすめ。

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TEBETE(タベテ)

「TABETE(タべテ)」は、飲食店でのテイクアウトをベースに、まだ美味しく食べられるけれど売り切るのが難しい食事を、一品からお得に購入できる仕組み。

出品されている商品は、すべて680円以下。飲食店をレスキューしながら、おいしい食事をお得にゲットできて、さらに近隣のレストランやパン屋、洋菓子店の開拓もできると、20〜40代の働く女性を中心に支持されています。

自宅や職場、おでかけ先の街でも探してみて!

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ECOスタイルキャンディGIFT

バルセロナ発のキャンディショップ「パパブブレ」からは、バッグブランド「MUZOSA」とタッグを組んだ、キャンディとエコバッグのギフトセットが登場。

『ECOスタイル キャンディGIFT』に含まれるキャンディは、季節外れの絵柄や規格外のもの。商品としては販売できないものの、キュートな絵柄とフルーティーな美味しさはそのまま。

「MUZOSA」のエコバッグは、ストッキングにも使われる極細糸で織られた極薄ファブリックを使用した、薄くて持ち運びに優れたデザイン。フードロスゼロとレジ袋ゼロに貢献するエコな贈り物です。

■ECOスタイル キャンディGIFT (数量限定)

内容:パパブブレフードロスキャンディ 7g × 3袋、MUZOSA & NYLON ULTRALIGHT BAG 1個(カラー:シルキーブラック、シャンパンゴールド)価格:8,455円(税抜)

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snaq.me(スナックミー )

おやつのサブスクリプションサービス「snaq.me」を展開する株式会社スナックミーでは、廃棄されてしまう素材を活用したおやつの開発に取り組んでいます。

例えば、新型コロナウイルス感染症拡大によって出荷先を失ったアーモンドをふんだんに使用した『アップクランチナッツ』は、スペインの希少品種「ラルゲタアーモンド」にオートミールを混ぜ、ザクザクとした歯触りのよいおやつに。

ナチュラルなおやつを展開する同社らしく、体にも環境にもやさしいおやつを楽しめます。

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Fishlle!(フィシュル)

『Fishlle!(フィシュル)』は、九州で水揚げされた天然の“未利用魚”を使用した環境にやさしいミールキット。

未利用魚とは、十分な水揚げ量がなかったり、形が悪い、傷がついている等の理由で、価値が付かずに廃廃棄される魚のことで、総水揚げ量の30〜40%がこれに該当するそう。味に変わりはないのに低価格な未利用魚を買付け、獲れたその日に加工・瞬間凍結しています。

届いたらお皿にのせるだけ、もしくは焼くだけ、揚げるだけで簡単にお魚料理を作れるミールキットは、コンパクトなサイズなので冷凍庫にスッキリ収納できるのもポイント。

■フィシュルのおまかせ便

内容量:6パック価格:3980円/月(税込)

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Kit Oisix(キット オイシックス)

「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」を展開するオイシックス・ラ・大地株式会社では、会員制の定期宅配サービスというビジネスモデルを活かし、計画的な生産を行うことで作付けの段階からフードロス削減に取り組んでいます。

カット済みの食材が届くミールキット『Kit Oisix(キットオイシックス)』では、一般流通には大きすぎたり小さすぎたりする規格外の野菜も積極的に活用しているのだそう。家庭で食材を余らせることも防ぐことができるので、一人暮らしや忙しい人にもぴったり!

■Kit Oisix

内容量:2人前〜価格:980円(税抜)〜

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HenoHeno(ヘノヘノ)

『HenoHeno(ヘノヘノ)』は、“美味しくフードロス削減”をコンセプトに、規格外などの理由で廃棄されていた果物を特殊冷凍で凍らせた、新食感のフローズンフルーツ。

冷凍とは思えないフレッシュな風味や、サクッと噛める新食感の虜になる人が続出。使用する果物は全て純国産・無添加で、生産者のこだわりがぎゅっと詰まったフルーツを、種類豊富に取り扱っています。

規格外の野菜や果物を活用したスムージーパックも人気のシリーズで、2020年12月に発売されたレンジで温めるホットスムージー『ほっとPONO mahana』は、冬にぴったりな新商品。

■HenoHeno(ヘノヘノ)5種ミックス momona/写真左

内容量:45g×5価格:2,000円(税込)

■ほっとPONO mahana/写真右

内容量:100g×3価格:1,700円(税込)

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good wrap!(グッドラップ)

「good wrap!(グッドラップ)」は、食べ物などの“残りもの”で染めたメイドインジャパンのエコラップ。

食品加工の過程ででる残りものや間伐された植物を染料に、オーガニックの綿や麻の布を染め上げたもので、自然由来の優しい色合いが魅力的。1枚で3役(保存・持ち運び・サーブ)と様々な使い方ができて、洗って繰り返し使えるのもエコなポイント。

国連WFP協会の「飢餓撲滅とフードロス削減」への取り組みにも賛同しており、商品1枚の購入ごとに子どもたち1食分の給食代が寄付されます。

■good wrap!(グッドラップ)

内容量:2枚セット価格:3,720円 (税込)

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Nœud. TOKYO(ヌー. トウキョウ)

今年7月、東京・永田町にオープンした『Nœud. TOKYO(ヌー. トウキョウ)』は、サステイナビリティにこだわった創作フレンチレストラン。

たとえば通常土臭く捨てられてしまうセロリの根っこは、4時間かけて丁寧に泥を落とし、味のアクセントにするなど、食材を無駄にしない調理法を採用。

また生産者側の食品廃棄にも配慮し、通常は捨てられてしまう食材も含めて生産者から購入し、余すことなく調理に活用しています。 身体にも環境にも優しい料理を楽しみながら、SDGsの取り組みを体感できるレストランです。

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FOOD TEXTILE(フードテキスタイル)

「FOOD TEXTILE(フードテキスタイル)」は、繊維の専門商社である豊島株式会社がリードする、アパレル業界発のフードロス問題へアプローチするプロジェクト。規格外の食材や、カット野菜の切れ端、コーヒーの出涸らしなどを企業や農園から買い取り、食品に含まれる成分から色を抽出し、それを原料にして染め上げたアイテムを展開しています。

写真左は、中川政七商店のロングセラー商品である「花ふきん」を、5種類の廃棄予定の食材で染め上げたもの。素材が持つ複雑な色の表現を楽しめるうえ、草木染めに比べ色落ちしにくく、長く使うことができるのだそう。

写真右は、コンバースのサスティナブルなシリーズ「converse e.c.lab(コンバース イーシーラボ)」との新モデルとして、3月発売予定のJACK PURCELL。ルイボスティの茶殻と規格外のブルーベリー染料としたテキスタイルをアッパーに採用した、優しい色合いが魅力的。

■赤かぶで染めた花ふきん/写真左

価格:1,100円 (税込)

■JACK PURCELL FOOD TEXTILE /写真右(3月発売)

価格:9,900円 (税込)

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Kakecco(かけっこ)

1923年(大正12年)創業の老舗お煎餅メーカー「中央軒煎餅」が、フードロス削減を目指して発売開始した新シリーズが『Kakecco(かけっこ)』。

商品名は“欠け”と“エコ”を掛け合わせた造語で、製造工程でどうしても出てしまう、欠けたりこわれたりしたあられやお煎餅の詰め合わせ。通常製品と変わらない美味しさを、親しみやすい価格で楽しめます。

お煎餅のイメージを変えるような、シンプルでおしゃれなパッケージも手に取りやすく、ついつい手が止まらなくなるかも!?

■Kakecco(かけっこ)全18種

内容量:90g〜110g価格:387〜432円(税込)

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八百屋×カフェ 和合堂

『八百屋×カフェ 和合堂』は、日本の美味しいものを沢山の人に届けたいという想いから、昨年9月に東京・港区にオープンしたカフェ。オーナーが週に2回農家さんを訪問し、直接仕入れた野菜を楽しめます。

食品廃棄ゼロをモットーに農家のフードロス削減にも積極的に取り組んでおり、『沖縄おにぎり』や『野菜たっぷり日替わりスープ』の具材には、規格外となった産直野菜をふんだんに使用。

野菜の皮や大根の葉など廃棄されがちな部位も美味しく調理して具材に活用しており、野菜本来の栄養価、美味しさが楽しめるメニューを提供しています。

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公式INSTAGRAM

今回、様々な側面からフードロス解消に向けた取り組みをご紹介してきましたが、そのアプローチも百者百様。自分の生活スタイルに合いそうなサービスや商品があれば、買い物をしたり食事をする際の新たな選択肢の一つとして、試してみてはいかがでしょうか?