1月3日(現地時間)、米ケンタッキー州に暮らす35歳のジェイソン・バートンさんは、突然の交通事故で帰らぬ人となりました。

ジェイソンさんには愛する3人の子供と妻がいましたが、彼は生前に生命保険をかけておらず、貯蓄も殆どない状況だったそうです。遺された家族の手元には、ジェイソンさんのお葬式をあげる費用がありませんでした。

そんな辛い状況の中で動き出したのは、ジェイソンさんの9歳の娘、ケイリー・ミラーちゃん。

ケイリーちゃんはお菓子作りが得意で、ジェイソンさんともよく一緒にお菓子を作っていたのだとか。そこで、彼女は手作りのお菓子を売ることで、ジェイソンさんを送り出すための葬儀代を集めることを決意したそうです。

こうして1月6日、地元のデイリークイーンで場所を借り、ケイリーちゃんは家族の協力を得てお菓子販売をスタートしました。準備したのはたくさんのケーキやブラウニー、クッキーなど。

父のジェイソンさんは、チョコレートクッキーが大好きだったそうです。

いざ販売を始めると、たくさんのお客さんが列をなしてお菓子を買いに来てくれたそう。実はジェイソンさんが亡くなった翌日、親族の1人が葬儀代を募るためのクラウドファンディンページを立ち上げており、それがSNSなどで近所の人たちに広まったのだとか。

購入者の中には、クッキー2枚に1,000ドル(約10万円)を払ってくれた夫婦もいたそうです。

WAVE3 News>の取材に対し、「(パパは)私のすべてでした」と語ったケイリーちゃん。寄付をしてくれた人々についても「とても感謝しています。みんなが気にかけてくれて、昨日は泣いてしまいました」と述べました。

クラウドファンディングでも目標額を上回る金額が集まり、ジェイソンさんの妻のホイットニーさんは、1月10日に次のようなメッセージを掲載しています。

寄付をしてくださった皆さんに、私がどれだけ恵まれているか、そして感謝しているかを伝えたいと思いました。たとえ100万年生きたとしても、見ず知らずの方々が、こんなにも私たちを気にかけてくださるとは、夢にも思わなかったからです。
私たちは悲嘆に暮れ、喪失感でいっぱいですが、皆さんの寄付と祈りが、この辛い状況を乗り越えるための糧となってくれるでしょう。

ジェイソンさんを失った悲しみは消えないけれど、たくさんの人の温もりと優しさが、ケイリーちゃん一家が前に進むための力となりますように――。