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「新たなワークスタイル」として広まったテレワーク。Zoom会議や出社日数調整が行われ、我々の職場環境は確かに激変した。しかし、なかには激しい変化で混乱をきたす社員も。社員が混乱するさなか、テレワークを導入する会社の「本当の思惑」とは何なのか――クロスリバー代表の越川慎司氏に聞いた。

◆テレワークを導入する会社側の「本当の思惑」とは?

 「資金的に厳しい中小企業の場合、ノートPCすら支給されないケースのほうが多いです。地方ではガラケーと手帳でテレワークをしている人もいました」と、厳しい状況を話すのは、業務改善の専門家として零細企業から上場企業までのテレワーク導入を支援してきた越川慎司氏だ。

 では、社員PCやリモート用のソフト導入をする際、企業はどんな目線でツールを選ぶのか。

「ITの知識が高い企業はきちんと使い勝手で選べますが、システム関連部署がないような企業だと、得意先など付き合いのある会社の言われるままにツールを選んでしまうこともあるんです。特に中小企業ではシステム導入を総務部などが兼任していることも多いので」

◆コスト削減のための完全テレワーク?助成金のゆくえは

 2020年10月には伊藤忠商事が出社率を上げるなど、事業内容に応じてテレワーク解除に動く企業も出てきた。一方で、現場がうまく回っていないのに推進する企業にはどんな思惑があるのか。ITシステム導入を手がける企業の社長が話す。

「やはり一度テレワークを経験した結果、生産性向上だけでなくコスト削減にも有効だと気づいたのが大きい。最近は都心から郊外へとオフィスを移転したり、場合によってはオフィスごとなくす会社も出ています。完全テレワークにすればオフィス賃料や通勤交通費、パートやアルバイトの人件費など、かなりの固定費が削れますから」

 テレワーク導入の補助金も、「関係ない備品の購入など、本来の目的以外で使う企業もある」という。

「助成金は用途を報告する義務がないので、どんな使い方をしていてもバレないのが現状です。そういうコスト削減や補助金目的の企業がテレワークを始めても、生産性向上に繋げられるはずがない」

 では、今後のテレワークの定着具合はどうなっていくのだろうか。

「実際には3月の期末まで耐えて、春頃には通常出社に戻したいと考えている企業が多い印象です。本来、テレワークは社員の自由度を高める働き方なのに、消極的な姿勢のまま続けるのは非常にもったいないですね」(越川氏)

 会社の思惑に左右されず、生産性の高いテレワークを極めたい。

【クロスリバー代表・越川慎司氏】
テレワーク導入支援のエキスパート。『トップ5%社員の習慣』、『超・会議術』など、業務改善にまつわる著書も多数。

<取材・文/週刊SPA!編集部> ―[テレワーク地獄の実態]―