佐賀県に幻の「国道0号線」が存在!? よく見ると…何か違う標識の謎とは

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佐賀県にある世にも珍しい「衝撃の国道0号線」の標識はなぜ生まれた?

 現在、日本の国道は1号線から507号線(59号から100号まで欠番。実際は459路線)まで存在しており、国道沿いに「●号線」という標識が設置されていますが、佐賀県には、幻の「国道0号線」の標識が実在していると、SNS上で話題になっています。
 
 なぜ、佐賀県に幻の国道0号線が存在するのでしょうか。

佐賀県にある幻の「国道0号線」。あれよく見ると…。画像:にいがたさくら@津軽海峡(@monkey_across)

 佐賀県にある、思わず目を疑う「国道0号」の標識。「2度見してしまった。」「Uターンして確認してしまった。」という反応も見られるこの標識ですが、ツイッターに投稿されたこの画像は、にいがたさくら@津軽海峡(@monkey_across)さんが2020年11月22日にツイートしたものです。

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 この標識は佐賀県有田町二ノ瀬の国道202号線沿いに実在しています。

 標識をよく見てみると、本来は202号線だったものが、左右の「2」の数字が剥がれ落ちてしまっている跡が見えます。

 中央の「0」だけが綺麗に残ったため、運転しているドライバーの視覚には国道0号線と認識されても不思議ではないような標識になったようです。

 偶然の産物ではありますが、「異世界への入り口みたい。」といったロマンあふれる反応や、「剥がれ方が綺麗過ぎる」といったコメントで話題になっています。

 この投稿をした、にいがたさくら@津軽海峡さんは以下のように話します。

「佐賀県を観光中にこの標識を発見しました。標識を見た瞬間に『え?なんだこれ!』と驚き、Uターンをして駐車して標識に近づいて確認しました。

 0号線なんて有り得ないのでとても面白いなと思い写真を撮り投稿しました。投稿後、反響が大きくとても嬉しく思います」

道路標識の管理はどうしているの?

 佐賀県の珍しい0号線の標識が話題となりましたが、そもそも道路標識はどのように管理されているのでしょうか。

 国土交通省によると、「道路標識の点検は、標識の欠陥を発見するものであり、通常巡回点検、定期点検、夜間巡回、異常時巡回によっておこなわれている」とされています。

 標識の一般的な点検項目として、標識板の汚れ・塗装の状況・折曲り・ねじれ・破損、標識板取付部のゆるみ、支柱の曲り・倒れ、支柱地部の塗装の状況、埋込部のぐらつき、照明の点灯状況、隠ぺい物の有無とされており、巡回点検によって発見された損傷や欠陥は速やかに補修されているとのことです。

 また、標識の設置されている場所により、その頻度の差は異なりますが、標識を常に良好な状態に保つために巡回点検を実施し、汚れた標識の清掃もおこなっているとのことです。

 標識を洗浄している風景を見かけるというのは少ないですが、一体どのような手順で作業しているのでしょうか。

 まず、綺麗な水を標識板に吹き付け、付着している粉塵を取り除きます。

 その後、道路標識ならではの汚れとして、タール・油・ディーゼル油・排ガスなどの付着を取り除きます。

 使用するのは、中性洗剤と水に加えて灯油・鉱物油といった油で、これらをあわせて洗い流します。

 最後に洗浄剤を使用してから、柔らかいブラシや布切れ、スポンジ等で標識板の表面から下まで完全に洗浄をします。

 一方で、佐賀県にある幻の国道0号線の標識のように、全国には劣化・汚れによって色があせていたり、判別しにくい標識を見かけることがあり、報告されることもしばしばあるようです。

全国各地には、塗装が剥げたものや折り曲がったものも見かける。

 国土交通省の九州地区整備局によると、5年に1回、近接目視を基本とする点検をしていると発表されています。そのうえで健全性の診断をおこない維持管理をしているといいます。

 ただ、現状の問題点として、人不足・技術力不足・予算不足の3つの課題が挙げられており、点検が進まない、点検結果の妥当性が確認できない、適切な修繕等が実施できないということが起きています。

 地方公共団体の抱えるこのような問題を解決すべく、新たな対応案として、国と各都道府県とが連携した「道路メンテナンス会議」が設置されました。

 2013年9月、道路法の改定により、点検を法律で義務化することになりました。

 メンテナンスサイクル(点検→診断→措置→記録→点検)を回す仕組みとして、すべての道路管理者が一同に参加、連携、そして協力をすることで、点検計画を策定することが目的で、この道路メンテナンス会議が各都道府県に設置されました。

 メリットとしては、実際の点検業務だけでなく、メンテナンス業務を地域で一括に発注できるようになったり、メンテナンスの技術者を育成するための研修や講習会をおこなえるようになったとされています。

 しかし、設置から6年経った2019年での発表によると、地方公共団体での現状として、町のおよそ3割、村のおよそ6割で橋梁の保全業務に携わっている土木技術者が存在しないと報告されており、民間の資格を所持していない者が業務に当たっているという課題を残しています。

 また、建物や橋梁の老朽化の進行により、道路メンテナンス会議の役割のひとつとして、「点検・修繕における優先順位の高い路線の選定や確認」という項目があります。

 記憶に新しいものとして、2012年12月22日に起きた、笹子トンネルの天井板落下事故があり、人命に直接関わりが深そうなトンネルや橋梁のメンテナンスを優先せざるを得ないといえます。

 幅広く存在する標識のメンテナンスは人手不足や建物などの優先により、なかなか進まないというのが現状といえるでしょう。

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 面白い標識として、SNSで話題になることもありますが、本来は命を守る役割もある標識。

 まずは道路メンテナンス会議の役割をしっかり果たして機能的にメンテナンスサイクルを回し、快適な道づくりの実現が求められているのではないでしょうか。