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イタフラ車 12月も躍進

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)

2020年を締め括る12月の外国メーカー車新規登録台数は2万8484台で、前年同月比は95.1%まで回復した。

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また2020年1月からの累計は、各メーカーの生産ライン停止の影響が響き25万4404台で前年と比べ14.7%も落ち込んだ。


ロータス・エリーゼのスペシャルカラーエディションは、コロナ禍の2020年2月末に日本導入を開始。難しい1年だったが、受注を伸ばしていった。

一方で、日本車の登録車の12月における新規販売台数は、2019年比で107.4%と3か月連続で前年実績超え。軽自動車も115.4%と3か月連続で前年比プラスとなり、輸入車と対照的な結果となった。

12月に入ってから新型コロナウイルスの感染者数が増加し、先行きの不安から消費心理にブレーキがかかったようだ。

12月の登録台数を見てゆくと、上位のドイツ4メーカーが前年割れを記録する中、プジョー(前年同月比150.9%)、フィアット(同153.5%)、シトロエン(同207.3%)、アバルト(同170.1%)、DS(同180.0%)、ロータス(同242.9%)、BMWアルピナ(同161.5%)など、イタフラ車や趣味性の高いブランドを中心に1.5倍以上の登録を記録。

この中で注目したいのが、12月の前年同月比が、ブランド別の最高値となる242.9%を記録したロータスの存在だ。

なぜ、ロータスが売れるのか

昨年12月の登録台数で大きくジャンプアップしたのはロータスだった。

上位のメーカーと比べると台数の規模が小さいが、単月だけではなく、1年間を通して伸びていたのである。


2020年のロータスは、「エキシージ・スポーツ350 GPエディション」の日本導入とともにはじまった。

2020年1月の前年同月比200%を皮切りに、前年割れしたのは2、4、7、9月の4回だけ。直近の11月は261.5%、12月は242.9%を記録し、通年で135.5%という好調ぶりを見せた。

この1年間は今までと何がちがったのだろう?

日本法人は「魅力的な限定車の投入や、コロナ禍でイベント・試乗会ができないため、ディーラーとキャンペーンを実施して拡販に成功した」と説明する。

さらに「SNSでロータスの魅力を伝えてフォロワー数を増やし、スーパーGTでの優勝で注目度が上がった」と、スポーツカーブランドならではの要因を挙げた。

また、新規オーダーが終了したモデルについて、『国内在庫は各ディーラーにお問合せ下さい』という告知を目にした購入検討者が多く存在し、「こちらを見た方々が、在庫がなくなる前にと購入意欲が強くなったことが一番の理由と感じた」と分析している。

12月のトップ10は?

12月の登録台数のランキングを見ていこう。

メルセデス・ベンツが6251台(前年同月比81.5%)で、今月も単独首位を獲得。70か月連続1位と記録を更新した。Aクラス、CLA、GLA、GLBといったコンパクトモデルが好調で、登録台数の約4割強を占めて大きく貢献。


好調なM・ベンツの2021年はどうなるのか? 新年早々、人気SUVの「GLC」にEQパワー(プラグイン・ハイブリッド)の「GLC 350 e 4マティック」を追加。モーターのみで46.8kmを走行する。

2位には、前月に続きBMWが4128台(同87.6%)でランクイン。フォルクスワーゲンは2759台(同69.4%)と、前月に続き伸び悩み3位に留まった。

4位のアウディはフォルクスワーゲンに迫る2642台(同96.6%)と健闘。

5位には好調のBMWミニが2333台(同118.50%)で続き、6位にはボルボが1805台(同83.0%)で帰り咲いた。

7位のジープは1340台(同118.3%)と今月も好結果で、プジョーは8位に落ちたが1197台(同150.9%)と大幅に台数を増やす。

9位にはポルシェが1089台(同101.3%)で復帰し、シトロエンは10位に下がるものの11月の5割増しとなる794台(同207.3%)を記録し、前月に続き高い伸び率を見せた。

今月もトップ3が足踏みを続けるなか、ミニ、ジープ、プジョー、シトロエン、そして今回注目したロータスなど、個性的なブランドが登録数を伸ばしていることから、輸入車の新たな流れが見えてくる。