新田恵利さんが母親の介護体験を振り返る

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 高齢の親が認知症になった時、在宅でケアをするか施設に入れるか、迷う人は多い。在宅で介護したタレントの新田恵利さんが、自身の介護体験を語る。

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 長く骨粗鬆症を患い、腰椎の圧迫骨折を繰り返していた母ですが、7年前の骨折で入院してからは寝たきりに。私と母が同居している家に兄も引っ越してきて、きょうだいで母の面倒を見るようになりました。

 母は認知症も進行していました。ある時、「在宅か施設かどっちがいい?」と聞いたら、「やっぱり家がいいな」と答えたんです。母の意思を尊重して、訪問リハビリやデイサービスを利用しながら、いまも兄と一緒に自宅で介護する日々です。

 在宅の良いところは、毎日一緒に生活しているので、日々の体調変化がよく分かること。母の体調は“日に日に”ではなく“刻々”と変わるので、良い時も悪い時も自分の目で確認できる。ある意味で“腹をくくる”というか、心の準備をすることもできます。

 在宅介護のおかげで家族関係に変化も起きました。ずっと一緒に過ごすことで母がそれまで疎遠だった兄を頼るようになり、会話がとても増えたんです。ある日、兄が仕事に行く前に「行ってくるよ」と母とハイタッチしている姿を見ました。以前なら考えられない光景です。在宅介護で家族の距離が縮まったと実感しました。

 もちろん、症状によっては在宅介護で家族が疲弊してしまうこともあると思いますが、うちのように親にある程度の判断力があり、きょうだいで分担できる態勢がとれるのであれば、「家で親と過ごす」という選択肢を考えてもいいのではないでしょうか。

※週刊ポスト2021年1月15・22日号