コロナ陽性後に国外脱出、ようやく処分発表も批判の声。「軽すぎる」「冗談でしょ?」

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10月にロシアで新型コロナウイルス陽性と判定されるも、規則に反し国外脱出した世界53位のサム・クエリー(アメリカ)。現地30日、ATP(男子プロテニス協会)が処分内容を発表したものの、Twitter上で批判の声があがっている。

クエリーは10月の「ATP500 サンクトペテルブルク」のシングルスとダブルスに出場予定だったが、新型コロナウイルス陽性と判定されたため、どちらも棄権を余儀なくされた。同行していた妻と幼い息子は、宿泊していたホテルで14日間の隔離生活を送るように言われ、その時点では問題はなかった。


だがその後、クエリーは地元の保健局に入院の可能性を言われると、プライベートジェットを使って一家でロシアを脱出。ATPは「今回のことを真剣に受け止め、事実関係を調査中である」との声明を出していた。


また先日、現地22日には来シーズン開幕戦「ATP250 デルレイビーチ」のエントリーリスト内にクエリーの名前もあり、処分の有無について注目されていた。


そんな中、今回ATPは公式サイトで「2020年サンクトペテルブルク大会での新型コロナウイルスのプロトコル違反を受けて開始された、サム・クエリーに関する調査を終了した」と報告。そして「クエリーの行為は、ATP規約内"選手による重大な違反"条項に基づく、この競技の倫理に反する」として、2万ドル(約206万円)の罰金を科した。


一方でATPは次のように理由を挙げ、執行猶予を与えている。


「クエリーの長年にわたるATPとの良好な関係とその他の緩和要素を考慮し、罰金は一時停止され、6ヶ月の執行猶予期間内にこれ以上新型コロナウイルスに関する健康と安全のプロトコルに違反しなければ解除される。また、選手は5日以内にこの決定に異議を申し立てることができる」


これに対しTwitterでは、「ATP Media Info」が処分決定を知らせた投稿へユーザーから批判の声が集中。


「処罰が軽すぎる」「ひどい決定だ」「冗談でしょ?」「ルールに厳密に従っている全ての人の顔に平手打ちを食らわせるものだ」といった意見や、「"その他の緩和要素"って何?」「つまり基本的には、彼は何も罰を与えられなかったってこと?」「こんな決定をするのに時間がかかったの?」といった疑問の声が寄せられている。


テニスデイリー編集部)


※為替レートは2020年12月31日時点
※写真は「ATP250 アデレード」でのクエリー
(Photo by Paul Kane/Getty Images)