「業務命令」と、家賃値上げの了承を住民へ取り付けることを命じられた永瀬は──

不動産会社・登坂不動産のエース営業マンである永瀬財地(ながせ・さいち)、35歳。「売るためだけ」の情報を顧客に伝え、時には嘘も厭わない口八丁ぶりで、圧倒的な売り上げをたたき出してきた。


だが、ある地鎮祭で祠と石碑を壊して以来、事態は一変。何かの祟りなのか、「うまく嘘がつけない」体に変貌してしまったのだ。

真実は”千に三つ”とも言われる不動産業界で、”正直営業”しかできなくなった永瀬は大苦戦するが…?

建築条件付き土地、任意売却、三為業者──。人生最大の買い物である「家」にまつわる不動産業界の真実をさらけ出す、話題作『正直不動産』(小学館)より、一部抜粋してお届けします。

賃料増額請求(前編)





©大谷アキラ・夏原武・水野光博/小学館





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