2020年11月22日(いい夫婦)の日に発表された、ネット調査(※)で、理想の芸能人夫婦の1位は仲里依紗さん・中尾明慶さん夫妻。2位は北川景子さん・DAIGOさん夫婦。3位は榮倉奈々さん・賀来賢人さん夫婦と続く。

彼らの共通点は、同業で夫婦共働きであること。フラットな関係であり、SNSで夫婦の仲の良さが伺えること。ここでは壊滅的な夫婦関係だったのに、“妻主導”で関係修復をし、今では“仲良し夫婦”になっている女性から、その秘訣を聞いてみた。

※株式会社冒険者プラコレが主催「11月22日(いい夫婦)の日調査」、20〜30代女性511人が回答。

愛情なんてお互いになかった

中村凪咲さん(仮名・39歳)は都内のIT関連会社に勤務する二児(8歳娘・10歳息子)の母。夫は同じ年の高校の同級生で不動産関連会社に勤務している。授かり婚なので、結婚10年「ある時点」までは、夫は家事も育児も一切せず、モラハラで、家にお金も入れず……だったが、今は家事をしっかりこなし、凪咲さんからのLINEに時短で返信するという。フツーかもしれないけれど、モラハラな過去を考えれば飛躍的な進化だ。「ある時点」に何があったのか?

「私がブチ切れて、離婚届けを叩きつけたのが、結婚3年目。第二子が生まれたばかりの頃かな。さすがに1回キレると、夫の心を動かしたみたいで、そこから3年くらいかけて、夫の意識は変わっていきました」

小柄で優しそうで知的な凪咲さんは、どのようにキレたのだろうか。

「キレるのは簡単です。テーブルをひっくり返し、『離婚する。マジムリ』って心の底から言えばいいだけ。でも体が大きくて頑固な夫をあそこまで威嚇できるのは、子どもを産んだ直後だったからでしょうね。今はムリ(笑)」

凪咲さんと夫の関係は、高校の同級生。そもそも2人の関係は、28歳のときに開催された、高校同窓会の飲み会。

「中堅の県立高校で、私は地元がイヤだったので、大学時代から東京で一人暮らしをしていたんです。私は地元が嫌いで、自宅から通学していたのですが、20歳から結婚を意識し、27歳まで交際した男性は7人。彼女として大切にされても、全員に結婚してもらえなかった」

凪咲さんは東京の富裕層家庭の“嫁”になりたかった。

「東京都心に実家があるかどうかを聞いてから好きになっていましたから、相手からは“重いんだよ”って断られていた。当時の彼氏にフラれた3か月後に地元の飲み会があって、参加したら夫がいた。勤務先がそれなりの企業で、顔も悪くなかった。都心方面で一人暮らしをしているというので、そのまま彼の家についていき、流れで男女の関係になって、そこからお互い忙しくて会わなかったんです。そしてその2か月後に妊娠していることがわかった。もう絶対に彼しかいない。このように、私たちには最初は愛情なんてなかったんですよ」

妊娠を告げた夫の意外な反応

妊娠したけれど、諦めようと思った

凪咲さんは、妊娠はしたけれど、一人で育てる自信もない。

「妊娠はわかっても、出産ってよく解らない。当時は出産に100万円かかるというイメージがあったし、妊娠したら解雇されると思い込んでいたんですよ。彼に妊娠を告げたら、“へえ、男の子かな?女の子かな?”って喜んでいるんです。このように、夫は前しか見ないし、情感がない。そのまま結婚して、気が付けば出産していたんです」

しかし、夫は一切の家事をしない。保活にも協力せず、すべて凪咲さんが行っていた。

「朝、黙って座っている。トーストを出すと黙って食べて、皿をそのままにして出かける。洗面台は水びたし。風呂も抜かないし、洗わない。私が息子を保育園に迎えに行って、へとへとになって寝ていると“女はいいな〜責任ない仕事しかしなくて”とか、“凪咲の料理はおいしくない。盛り付けまで気を配って”とか、“出かけるときはキレイなカッコしてよ”などの発言を繰り返す。せめてものおしゃれをして出かけてみても、荷物は持たない。私、2子目を妊娠中に、息子をキャリーに入れて前に背負い、おむつや着替えなどが入った8キロはあるバッグを斜めがけにして、買った紙おむつを両手に提げていたのに、夫は手ぶらなんてことがしょっちゅうありました」

さまざまな夫の話を取材してきたけれど、これはなかなかひどい。妻に対するいたわりが全くない……。

「そんな生活を3年続け、2人目の娘が生まれたらさらに荷物が増える。限界だと思ってキレたんです。そしたら夫は“え!? 凪咲はそんなことをしてほしかったの?”と言ったんですよ。こっちは“察してほしい”と思って頑張ってメッセージを発していたのに、夫は全く“察する”ことができなかった。この3年間の忍耐と苦しみは何だったんだろうと思いました」

かつて夫は家事と育児を妻に丸投げして、モラハラ発言を繰り返していた。

夫婦の生活費を支払わない原因は、義母にあった〜その2〜に続きます。