流すべきか流さないべきか、それが問題だ

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「1人で家にいるときはトイレを毎回流さない」。女性向けウェブ掲示板「ガールズちゃんねる」に2020年12月13日、「正直引かれるかもしれない節約の方法」を明かすトピックが立ち、こんな意見が書き込まれた。

否定的な見方が強いが、「小なら3回まで流さない生活してる」、「子どもの後に自分も用を足させて流す」といった声も寄せられている。節約法および節水法として正しいのか、日本のレストルーム空間の質向上に取り組む「日本レストルーム工業会」に取材した。

「器具で設定されている水量以上の節水は禁物」

「節水法として望ましくございません。使用した都度、洗浄いただくようお願いします」

回答は、こうだ。「トイレを毎回流さない」と、トイレや排水管の中に汚れがたまり、排出不良や詰りの原因になる可能性がある。

トイレは、1990年代には1回の使用で13リットルの水量を流していたが、現在では各メーカーの技術の進化により、5リットル程度の便器が主流となっている。トイレの水は便器から汚物を排出するだけではなく、排水管の中で汚物を運んでいく役割もある。「器具で設定されている水量以上の節水は禁物」なのだ。

真偽の程は定かでないが、「ガールズちゃんねる」には、かつてトイレを毎回流さずにいたユーザーから「トイレ詰まって修理代で結局3万かかりました」と報告が寄せられている。また「習慣になるといつか人の家のトイレで流し忘れることになり、大恥かくことになりそう」という指摘も見られた。

「おふろの残り湯で流す方がいい」に「待った!」

「ガールズちゃんねる」トピックには、「トイレを毎回流さない」代わりに「おふろの残り湯で流す」ことで節水につなげるような提案が投げかけられている。

だがこれも、日本レストルーム工業会は「お勧めできない」と話す。「タンクの中や便器の通水路に汚れが蓄積され作動不良、止水不良を起こしたり、便鉢が汚れやすくなるといったことが考えられる」からだ。必死に節水したつもりでも、トイレや水道管が故障してしまっては元も子もない。