山本浩二氏

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 日本プロ野球名球会が16日に公式ユーチューブチャンネルに投稿した動画に、元広島監督で野球解説者の山本浩二氏がゲスト出演。今季の広島が5位に低迷した理由について持論を語った。

 12月4日に名球会の動画に初登場し、今回の動画が3本目となる山本氏。今回は聞き役を務めた元フジテレビアナウンサーでフリーの山中秀樹アナと共に、自身の監督時代にあった選手との秘話や現在の広島の印象などについてトーク。その中で、6月21日のDeNA戦でサヨナラ負けを許す投球を見せた助っ人・スコットが、広島が低迷した原因だと指摘した。

 この試合で広島はプロ初登板初先発のドラ1ルーキー・森下暢仁が7回無失点の好投を見せ、「1-0」とリードしたまま9回裏へ。ところが、この回登板したスコットが1死も取れないまま4安打2失点と炎上しまさかのサヨナラ負けを喫している。

 試合を台なしにしたスコットの炎上について、山本氏は「どれだけがっくりきたか」と心底失望したとコメント。広島にとって開幕3試合目だったが「そこ(スコットの炎上)が全てだね、(5位に低迷した)今年の戦いは」と、その後の戦いにも悪影響を及ぼすお粗末な投球だったとバッサリ切り捨てた。

 山本氏は続けて「(佐々岡真司監督も)ピッチャー出身の新人監督でどれだけショックを受けたか(計り知れない)」と、スコットを信頼し守護神として起用した佐々岡監督の落胆も大きかっただろうと推測。また、「全ての歯車が狂ったのは後ろ(救援陣のせい)なの」と、スコットの炎上で勝ちパターンの再編を迫られたことが低迷の主要因になったと主張した。

 ここまで山本氏の話を聞いていた山中アナは「『何しに出てきたんだ!』というカープファンのヤジはすごかったですよ」と、多くのファンがスコットに激怒していたと発言。すると、山本氏は「ワシだって(テレビの前で)やったよ」と、自身もOBとしてではなく、一ファンとしてスコットに激怒したと暴露していた。

 山本氏はこの他にも監督時代、ある投手に意外な場所で開幕投手起用を伝えたエピソードや、自身が最適だと思う現在のチームのクリーンナップについて動画内で語っている。

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 今回の動画を受け、ネット上には「森下のプロ初勝利も消す炎上だったから怒るのも当然」、「あの試合は逆転サヨナラ負け、森下の初勝利消滅、スコット守護神構想瓦解と三重の意味でショックだった」、「確かに最後までブルペン崩壊に苦しんだ今季を象徴するような試合だった」、「スコットを抑えに固定できなかったことで佐々岡監督の計算を狂ったのは確かだろう」、「スコットがちゃんと抑えを務めてくれたら、リリーフの防御率がガタガタになることもなかったのに」といった反応が多数寄せられている。

 「今回名前が挙がったスコットは今年1月にチームに入団した新助っ人で、開幕前の練習試合では3試合登板で無安打無失点と好投。佐々岡監督はこの結果を元にスコットを守護神、7、8回はフランスアや菊池保則らでつなぐという勝ちパターンを想定してシーズンに臨みました。しかし、スコットは同戦を含め開幕から5試合登板で『0勝2敗・防御率21.00』と全く結果を残せず7月3日に登録抹消。これ以降、佐々岡監督はフランスアや菊池を代役守護神に据えたり、その両名の代わりに7、8回を担えるリリーフを試したりしましたが、結局チームの救援防御率は12球団ワースト(4.64)と最後までブルペンを立て直すことはできませんでした」(野球ライター)

 山本氏の怒りも買ったスコットは今オフチームと1年契約を結んで残留し、来季は主に先発として起用される見込みと伝えられている。リリーフでは全くと言っていいほど活躍できなかったが、先発ではチームに貢献することができるだろうか。

文 / 柴田雅人

記事内の引用について
日本プロ野球名球会の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UC9ycDcfxt5ge3hUFfnqnQ9Q