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コロナウイルスの影響でアメリカの性産業は大打撃を受けた。その一方、 SNSを利用したストリップクラブ、Zoomを使った自慰サークルなど、デジタルの領域でクリエイティブな進化を遂げた。

だが当然のことながら、人との肌のふれあいをオンラインで成立させるのは難しく、現在アメリカで感染者数が再び増加しているにもかかわらず、たとえ代償を払うことになっても、何らかの形でリアルな性生活に戻りたいと必死な人々もいる。

乱交イベント「Naughty NAwlins」の主催者ボブ・ハナフォードさん(54歳)は、最近身をもってこのことを学んだ。「1998年以来、全米でもっとも人気のライフスタイルと乱交のコンベンション」と宣伝されたこのイベントは、11月にルイジアナ州ニューオーリンズで開催された。その結果、参加者41人がCOVID-19検査で陽性判定を受けたと自身のブログに投稿した。陽性率は約13%だったという。

「もしあの時こうなることがわかっていたら、イベントは開きませんでした」とハナフォードさんはブロクに書いた。「とても心苦しいです。全員が100%回復するまで、私の胸に重くのしかかるでしょう」

ハナフォードさん曰く、開催については何カ月も熟考を重ねたそうだ。このコンベンションは例年2000人以上が参加するという。当初は7月に開催を予定していたが、11月はニューオーリンズの感染件数が比較的低く、経済再開も第3段階に入っていたことから(その後、ここ最近の感染者の急増により再び第2段階に逆戻りした)、最終的に11月の開催に踏み切った。「開催できるのか、はたまた倫理的にどうなのか、とみな悩んでいました」と彼はブログに書いている。「私たちも開催までの数週間、何度も何度も自問しました」

コンベンション開催の決定はソーシャルメディアで批判を受けたものの、ハナフォードさんはウイルス専門学者と協力して、体温チェックやマスク着用義務など(飲食時を除く)各種対策を講じた。また、参加者には事前に検査を受けるよう強く奨励し、COVID-19の抗体がある人や検査で陰性だった人が識別できるよう、リストバンドで色分けしていたそうだ。「可能な限り安全なイベントにできたと思っています」。11月14日、彼はNola.comに対してこう述べた。

感染の原因は「油断が生じた」ため

こうした対策にも関わらず、イベント終了から数日後、ハナフォードさんは参加者の中に陽性患者が出たというメールを受け取った。陽性患者の大半は無症状または軽い症状だったが、少なくとも1人が病院に入院せざるを得なかったとブログには書かれている。感染の理由について、イベントの最後のほうで「油断が生じた」ためだと本人はいう。「ほとんど全員が、最初の2日間(水曜日・木曜日)は生真面目にルールを守っていたものの、金曜日には少し気が緩んでしまったと言いました。『今日で最後だから、まあいいか』と、最終日に対策を怠ったと多くの人が認めています。おそらくそれが原因で陽性になってしまったのでしょう」(ハナフォードさんにコメント取材を依頼したが、返答は得られなかった)

ブログの中でハナフォードさんは、COVID-19が風俗クラブに甚大な経済的損害をもたらしていることについても触れている。「2021年を迎えられないクラブがたくさんあります」。ブログには、パンデミック中に「皆がちゃんと情報を得たうえで決断を下せるよう」、こうしたイベント開催に伴う危険についてオープンな議論をしていきたい、と書かれていた。

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from Rolling Stone US