コロナ禍の過密日程に「フレッシュな選手」の起用を優先させたという長谷川監督。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[ACLグループステージ第6戦]FC東京1-0パース・グローリー/12月3日/カタール・ドーハ

 FC東京はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のグループFの最終戦で、パース・グローリー(オーストラリア)に1−0で勝利を収め、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。

 試合後に会見を行なった長谷川健太監督は「蔚山現代に敗れて一瞬ダメかと思う状況もあったなかで、よくここまで盛り返して決勝トーナメントまで行くことができたなと思います」と、この結果にホッと胸をなで下ろした。

 ACL再開後の上海申花(中国)戦は0−1、2−1で1勝1敗。その後の蔚山現代戦は1分に先制するものの、2点を奪われ逆転負け。別会場で行なわれていた上海申花がパース・グローリーと引き分けたため、得失点差1で辛うじて2位を守り最終節を迎えていた。

 しかしこの試合では怪我のディエゴ・オリヴェイラに加え、森重真人も出場停止で欠く状況。そんななか長谷川監督は前節から6人のメンバーを入れ替え、丹羽大輝、品田愛斗、田川亨介ら今大会初先発となる選手を積極的に起用した。
 
 長谷川監督には「3連戦で疲労した選手よりもフレッシュな選手のほうが力が出せるのではないかと考えています。彼らの力も私自身信頼していましたので、その信頼に応えてくれたと思います」との思惑があったという。

 そんな指揮官の期待に応え、ACL初先発の品田が、出場機会の少ないアダイウトンのゴールをアシスト。さらに丹羽がベテランらしさを発揮し、ディフェンスラインを引き締めた。

「予選を通じて、選手全員がチームの勝利の為に頑張ってくれた。選手全員の勝利だと思います」と長谷川監督は改めて総力戦での勝利だったと語る。

 出場機会を得た若手も躍動し、結果として出場停止だった森重に加え、永井謙佑を温存。後半途中から出場となったレアンドロや安部柊斗にも束の間の休養を与えることができた。

 次戦は12月6日の決勝トーナメント1回戦・北京国安(中国)戦となる。

 長谷川監督は「若い選手は、経験だけでなく、勝つことによって大きな自信を持つことができる。今回決勝トーナメントに進むことによって、またいろんな経験を積んで、彼らのさらなる成長を期待しています」とひと回り逞しくなったFC東京の姿を披露したいと意気込んだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部