ACL初先発でフル出場。8分のパスが決勝弾に繋がった品田。写真:滝川敏之

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[ACLグループステージ第6戦]FC東京1-0パース・グローリー/12月3日/カタール・ドーハ

 ユース出身の3年目・品田愛斗がACLデビュー戦でチームを勝利に導く得点をアシストし、まばゆい輝きを放った。

 FC東京は勝点7で、直接対決では全く五分の上海緑地申花と並びグループステージ最終節を迎えた。2位につけているものの、得失点差はわずか1ポイント。同時刻に別会場で行なわれている上海が大量リードを奪うと勝利しても逆転されてしまうという予断を許さぬ状況だった。

 さらに、ディエゴ・オリヴェイラを負傷で、森重真人を累積警告で欠き、攻守の要が出場できないなかでの大一番となった。

 この試合でアンカーの位置に抜擢されたのは、21歳のMF品田愛斗だった。

 試合後に取材に応じた品田は、「いつも通り落ち着いてやらないと自分の良さというのは出ないので、そこだけを意識して。ピッチに立ってしまえば自然と楽しんでしまうタイプなので」と自然体でゲームに入ることを心掛けたという。

 その言葉通り、この若武者は初のACLの舞台でも物怖じせず、試合立ち上がりからペースを握ったチームの中心として攻守に貢献すると、8分に浮き球のパスでディフェンスライン裏にボールを供給。これをアダイウトンが決め先制点をアシストを記録する。
 
 この場面を振り返った品田は「相手が1勝を挙げたいという気持ちを逆手にとった良いシーンだったかなと思います」とコメントし、以下のような言葉を続けた。

「いろいろな条件はあったのですが、簡単な試合というのはひとつもないので、初めてアジアの舞台も経験して、日本のチームとは違った部分も味わいました。そのなかでも自分が通用する部分もあったし、チームとしての良さを出せる場面も多かったので、そこはチームとしても、個人としてもプラスになったかなと思います」

 コロナ禍で行なわれた今季、8月23日のJ1リーグ12節・湘南戦で初のJ1先発を勝ち取った品田は、その後リーグ戦で8試合に出場し1ゴールを記録するなど、徐々に存在感を高めている。

 この勝利でグループ2位通過を決めたFC東京は、12月6日の次戦、決勝トーナメント1回戦でグループEを5戦全勝で首位通過した北京国安(中国)と対戦する。

 負ければ敗退となるこの一戦でも大器の片鱗を見せる品田の自然体のプレーが見られるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部